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04 Dec 2023
健康的なライフスタイルを奨励するWorld Cancer Research Fund/American Institute for Cancer Research (WCRF/AICR)のがん予防推奨事項をよりよく遵守することは、すべてのがんの複合リスクおよび乳がんなどの一部の個別のがんのリスクの低下と関連している。 この研究結果は、BMC Medicine誌に掲載されている。
2018年WCRF/AICRがん予防勧告は、健康体重維持、運動、全粒穀物、野菜、果物、豆類を豊富に含み、高度に加工された食品、赤肉、加工肉、砂糖入り飲料、アルコールを控えた食事の摂取を個人に奨励することで、がんのリスクを減らすことを目的としている。
John Mathers氏らは、平均年齢56歳の英国成人94,778名のUK Biobankデータを分析し、WCRF/AICR勧告の遵守とがんリスクとの関係を調査した。
研究者らは、参加者の肥満度とウエストの周囲径の測定に加えて、自己申告による食事と運動のデータを用いて、参加者の推奨事項の遵守度を7点満点で採点した。
彼らはがん登録データを用いて、平均8年間における新しいがんの発症率を計算した。解析には年齢、性別、社会経済的貧困、民族性、喫煙の有無が考慮された。平均推奨アドヒアランススコアは3.8点で、7,296名(8%)が研究期間中にがんを発症した。
著者らは、WCRF/AICRの推奨事項の遵守度が高いほど、すべてのがんの複合リスクが低く、推奨事項の遵守度が1ポイント上がるごとにリスクが7%低下することを発見した。
アドヒアランススコアが3.5点以下の人に比べ、4.5点以上の人は、すべてのがんの複合リスクが16%低かった。
また、アドヒアランススコアが1ポイント上がるごとに、リスクの低下は乳がん10%、大腸がん10%、腎臓がん18%、食道がん16%、肝臓がん22%、卵巣がん24%、胆嚢がん30%だったことがわかった。
この知見は、英国におけるがん予防のためのWCRF/AICR勧告の遵守を支持するが、著者らは、この研究の観察的性質上、WCRF/AICR勧告の遵守とがんリスクとの因果関係について結論を出すことはできないと述べている。
著者らは、どの推奨事項が推奨事項遵守とがんリスクとの間に観察された関連性をもたらしているのかを調査するために、さらなる研究が必要であると付け加えている。
(2023年11月28日公開)