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11 Oct 2023
オーストラリアのUniversity of QueenslandとAlfred hospital(メルボルン)の研究者らが結節型黒色腫のリスク上昇と関連がある遺伝子変異を特定した。
University of Queensland Frazer InstituteのMitchell Stark博士によると、結節型黒色腫は浸潤性メラノーマの約14%を占めるに過ぎないが、この病型は悪性度が高く、メラノーマによる死亡の原因としては最も多い。
「メラノーマは早期診断できれば手術で完治する可能性が高いが、結節型黒色腫は増殖速度が速く、早期発見して診断できる機会が少ないために発見が遅れることが多い」とStark氏は述べた。
「結節型黒色腫のうち最大27%は、他の色素性黒色腫とは違って皮膚色の腫瘍として発現するため、早期診断が難しい。これらの稀な遺伝子変異を同定することによって、最もリスクの高い人々を特定するためのスクリーニングプログラムを確立するのに役立つことを期待している」
この研究プロジェクトでは、すでにメラノーマやがんのリスクとの関連が分かっている500の遺伝子を分析した。
「我々は、結節型黒色腫において他のメラノーマのサブタイプと比較してDNA変異の頻度が最も高い39の遺伝子を同定した。その中で、稀なDNA変異を持つ4つの遺伝子は結節型黒色腫患者で最も高い頻度を示した」とStark氏は述べた。
Alfred hospitalのVictorian Melanoma Serviceの責任者であるVictoria Mar准教授は、「この知見によって臨床医は結節型黒色腫のリスクが高い患者を効率的に特定し、標的を絞ったスクリーニングを行うことができるようになるだろう」と述べた。
「以前は、この疾患に特異的な共通の遺伝的リスク因子は知られていなかった」とMar氏は述べた。遺伝子検査は、結節型黒色腫の発症リスクが高い人を特定するのに役立つ。
「患者にこのような遺伝子変異があることが分かれば、疾患についての教育やより適切なスクリーニングを行うことが可能になり、早期発見と患者の転帰の改善が期待できるだろう」。
https://ecancer.org/en/news/23780-potential-genetic-screening-for-aggressive-melanoma
(2023月10月4日公開)