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e-cancer:がん全般 がん治療を前進させる臍帯白血球を開発

04 Aug 2023

Singapore General Hospital (SGH) の血液科と分子病理学科の研究者らが率いるチームは、さまざまな種類の固形がんおよび血液がんを治療するために、臍帯血由来の白血球の生来の能力を活用し、強化するためのプラットフォームを開発した。

このプラットフォームは前臨床試験で良好な結果を示し、白血病とリンパ腫の治療を目的とした第1相臨床試験で2024年にもさらなる検証が行われる予定である。

この研究結果は、査読付き学術誌Science Advancesに掲載された。

白血球はガンマデルタT細胞 (GDT) として知られ、抗ウイルス性と抗腫瘍性を持つ。これらの細胞は、体内のがん細胞や感染細胞などの生物学的ストレスの兆候を常に監視しており、病気に対する防衛の最前線の1つである。

GDT細胞は成人の血液にも存在する。 しかし、前臨床研究では、特定のサブタイプのGDT細胞ががん細胞に対してより強力であり、成人の GDT 細胞と比較して臍帯血中に多く存在することが報告されている。

「初期の取り組みのほとんどは、成人におけるGDT細胞のがん治療としての使用を探ることに焦点を当ててきた。 残念ながら、初期の臨床試験における奏効率は一般的に低く、効果も最適ではなかった。これが、われわれが臍帯血に注目した理由である」と、この研究の上席著者であるSGH血液内科のジュニア主任研究者、Alice Cheung助教は述べた。

研究チームは、Singapore Cord Blood Bankの臍帯血サンプルを用いて、サンプル中のGDT細胞数を増殖させるプロセスを開発した。臍帯血細胞は生まれたての細胞のようなもので、研究チームは、この臍帯血由来のGDT細胞は寿命が延び、がんの再発を予防したり遅らせたりできる可能性があると仮定している。

「臍帯血由来GDTは若い戦士のようなもので、効果がより長く持続する可能性があり、新たな機能を担う適応性が高い。しかし現在、これらのT細胞は十分に活用されておらず、臨床応用に十分な数が確保されていないことが最大の懸念点となっている。しかし、われわれの研究は、それが潜在的に実現可能であることを示した」と、SGH血液科上級コンサルタントであり、研究著者であるGoh Yeow Tee教授は述べた。

https://ecancer.org/en/news/23436-umbilical-cord-white-blood-cells-developed-to-advance-cancer-trea

(2023年7月28日公開)

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