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28 Jul 2023
University of South Australia (UniSA)の研究者らは、潜在的に悪性度の高い前立腺がんの症例を特定し区別するのに役立つ、3つの新しいバイオマーカーを特定した。
Doug Brooks UniSA教授(分子医学)が率いる国際的な研究チームが、患者の組織サンプルから前立腺がんを可視化する際に病理医を支援する画期的な技術を開発した。
この新しいバイオマーカーの併用により、臨床医がどの患者が早急に根治治療が必要なのか、あるいは注意深く経過観察が必要なのかを判断する助けとなる。
世界では毎年100万人以上の男性が前立腺がんと診断されており、この研究の解明は重要である。
UniSA を拠点とするチームは、患者管理と治療結果を改善するための技術に関してオーストラリアの企業 Envision Sciences社と協力した。
「これにより、前立腺がんの診断と悪性度の判定方法が長期的に改善されることが期待される」と、Brooks教授は述べる。
「バイオマーカーは、がんの進行を正確に可視化し、その悪性度を確認する上で、非常に高感度かつ特異的である。 この発見は、がんがどの程度進行し悪性度が高いのか、即時の治療が必要かどうかを判断するために設計された検査の商業開発につながった」
UniSAでこの技術の開発と翻訳に資金を提供した Envision Sciences社は、この技術を臨床現場に導入するために、米国最大の組織診断病理会社であるQuest Diagnostics社と商業化契約を締結した。
米国での成功を待って、この革新的な技術を使用した臨床試験がオーストラリアで実施されることが期待されている。
UniSA副学長研究兼企業教授のMarnie Hughes-Warrington AO氏は、この画期的な出来事を「救命」と表現し、UniSAとEnvision Sciences社とのパートナーシップはがん研究におけるエキサイティングな発展であると述べた。
「この技術は、臨床医が前立腺がんの悪性度を評価し予測する方法を変える。われわれは、この技術が今後数年間でどのような変化をもたらすかを楽しみにしている」
この研究はCancers誌に掲載された。
https://ecancer.org/en/news/23382-new-prostate-cancer-biomarkers-provide-hope-to-millions-of-men
(2023年7月20日公開)