トップ > ニュース

ニュース

e-cancer:乳がん 乳がん患者における化学療法誘発性体重増加と腸内細菌の損傷との関連性

19 Jul 2023

研究者らは、化学療法による腸内細菌の変化と乳がん患者に見られる不健康な体重増加との関連性を発見した。

University of Albertaの研究チームが新たに発表した研究によると、化学療法を受けた患者は筋肉量が減少し、腹部脂肪が増加した。

化学療法を受けた患者は、炎症の徴候も示し、腸内細菌の数や種類にも著しい変化が見られた。

「腸内細菌集団の変化は、化学療法を受けた乳がん患者の不健康な体重増加や体脂肪組成の増加と直接相関している」と、医学部・歯学部の教授であり、 Cross Cancer Instituteのアルバータ州北部の腫瘍内科の責任者であるJohn Walker氏は述べた。氏は、医学部・生物科学部のGane Ka-Shu Wong教授とこの研究を共同で行った。

肥満は、乳がんを含むいくつかの種類のがんと関連しており、がん専門医は、がん治療が肥満を悪化させるようだと長い間観察してきた。

がんと診断されると多くの人が体重を減らすが、化学療法を受けた乳がん患者ではその傾向が逆転する。

研究によると、乳がん患者の50%が診断前に過体重または肥満であるのに対し、治療後はその割合が67%に上昇する。

治療中の食事や運動パターンの変化は、がんの治療を受けるすべての患者に影響を与えるため、その違いを説明できるほど重要ではないとWalker氏は指摘する。

「化学療法中や治療後は、活動量が少し減る傾向があるが、カロリー摂取量も大幅に減る傾向がある」と、彼は述べる。

「化学療法を受ける乳がん患者にとって、腸内細菌叢の調節には何か独特なものがある」

Walker氏は、化学療法薬に細菌を殺す作用があるのは驚くべきことではないと指摘する。なぜなら、抗生物質に由来するものもあり、すべて肝臓、そして腸で代謝されるからである。

「乳がんは、医学における比類なきサクセスストーリーである。今日、治癒率は90%を超えており、サバイバーシップも同様に重要である。われわれは、生存期間中、患者が治療中の体重増加による代謝の影響に悩まされないようにしたいのである」

https://ecancer.org/en/news/23339-damage-to-gut-bacteria-linked-with-chemo-induced-weight-gain-in-breast-cancer-patients

(2023年7月12日公開)

CROI2024 速報
HIV感染症治療教育プログラム
EACS2023 速報
IAS2023 速報
Practice Updates~HIV感染症治療戦略~
HIVクイズ
ecancer
国際学会カレンダー