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e-cancer:血液がん 肥満と血液がんの関連性を発見

31 May 2023

Indiana University School of Medicineの研究者らは、血液がんのリスクを高める可能性のある血液疾患クローン性不定性造血(CHIP)を研究し、肥満がこの疾患と強く関連していることを発見した。

今回の研究成果は、Journal of Clinical Investigation誌に掲載された。

CHIPは、血液細胞に遺伝子変異が蓄積され、血液がんの発症リスクが高まる疾患である。CHIPは加齢に伴ってよく見られる症状だが、その危険因子は十分に解明されていない。

「肥満が体内で炎症を引き起こし、血液細胞を作る骨髄を変化させるため、体重超過や肥満であることがCHIPの危険因子となる可能性があることが、今回の研究で示された。
このことは、血液がんや心血管疾患のリスクを高めることになる」と、研究の筆頭著者であるSanthosh Pasupuleti氏は述べた。氏は、Herman B Wells Center for Pediatric Researchの小児科助教授であり、IU Melvin and Bren Simon Comprehensive Cancer Centerの研究者である。

「今回の発見の意義は、CHIPと肥満者における治療の新たな道筋を示す可能性がある」

研究者らは、47,000名以上のCHIPのデータを分析し、その内5.8%がウエスト・ヒップ比の大幅な増加と関連していることを発見した。

さらに、本研究で使用した肥満とCHIPを持つマウスモデルでは、変異した血球がより早く増殖することが確認された。

したがって、健康体重を維持する方法を見つけ、全身性炎症のレベルを維持することで、加齢に伴う血液がんの発症リスクを低下させることができるという考えを強く支持する。

IU Melvin and Bren Simon Comprehensive Cancer CenterのHerman B Wells Center for Pediatric Researchのディレクター、造血および血液悪性腫瘍の共同プログラムリーダーであり、本研究の共著者であるReuben Kapur氏は、「われわれの現在および将来の研究は、CHIP保有変異型血液細胞の拡大および急速成長を緩和する治療戦略の発見に焦点を当てている」と語った。

「驚くべきことに、われわれの最初の発見は、血圧や糖尿病の治療に用いられる一般的な薬が、変異した血液細胞の成長を制御する役割を果たす可能性があることを示唆している。今後の追加研究では、これらの種類の薬を服用している個人と、血液がんを発症する長期的なリスクを調べることに焦点を当てる」

また、本研究の一環として、CHIP変異細胞を標的とするさまざまな薬剤の組み合わせも検証し、この疾患に対する治療法の可能性を探った。

全体として、CHIPと肥満の関係をより深く理解することで、白血病などの病気になるリスクのある人を特定し、将来の治療方法を見出すことができる可能性が示唆された。

https://ecancer.org/en/news/23085-researchers-find-link-between-obesity-and-blood-cancer

(2023年5月16日公開)

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