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e-cancer:頭頸部がん AACR2023:頭頸部がんで過剰発現するがん遺伝子を発見

19 May 2023

Susan Waltz博士は、UC’s Department of Cancer Biologyの研究室で、Ronと呼ばれるがんの成長を加速させる遺伝子の役割を研究している。Waltz氏の研究室の博士課程学生であるZhixin Lu氏は、Takiar氏の研究室で、Ronが頭頸部がんにどのように影響するかについてさらに知りたいと考えていた。

Lu氏の研究は、Takiar氏とWaltz氏の研究室間、およびUCの学部間の共同研究の橋渡しをするものである。

「われわれは、乳がんや前立腺がんにおいて、このRon受容体ががんの転移や薬剤耐性をどのように促進するのか、重点的に研究してきた」と、Lu氏は語った。「Ronは、頭頸部がんを含む多くのがんで多量に発現するが、頭頸部がんにおけるその役割についてはあまり知られていない。それが私のプロジェクトの前提である」

Lu氏の研究により、Ronは頭頸部がんの複数の細胞株で高レベルで過剰発現していることがわかり、がん細胞の機能や増殖に関与している可能性が示されたという。

「Ronの発現は、患者の生存成績の悪化や放射線耐性と相関している。Ronの発現が高ければ高いほど、全生存期間において、患者の生存率は低くなり、それは、潜在的に、それらの患者において、非常にネガティブな役割を持つことを示している」と、Lu氏は述べた。「このことは、Ronが研究対象として非常に有望であることを示している」

また、頭頸部がんの大部分ではEGFRというタンパク質が過剰発現しているが、がんが薬剤耐性を獲得するため、抗EGFR治療はこれまであまり有効ではなかった。

興味深いことに、頭頸部がんの細胞株や患者のデータでは、RonとEGFRの発現量に逆相関があることを発見した。

今後の研究では、EGFRとRonがどのように相互作用しているのか、Ronを阻害することでEGFRを標的とした治療がより効果的になるのかについて、より詳しく知ることを目指す。Lu氏によると、研究チームは、乳がんにおいてRonとEGFRの間に同様の逆相関があるかどうかも調べており、両者の相互作用についてより多くの情報を得られる可能性があるという。

研究者らがさらに研究を進めれば、Ron阻害剤は頭頸部がん患者にとってより一般的な治療選択肢となる可能性があるとLu氏は述べた。現在の治療法は、毒性や副作用のある化学療法や放射線療法に大きく依存しているが、Ronのような低分子の標的があれば、必要な化学療法の量を減らすことができると彼女は述べた。

「低分子化合物は、タンパク質や発がん経路をターゲットにしているためより正確であり、それと組み合わせることで、副作用を軽減するだけでなく、特定のターゲットに対してより正確に作用する可能性がある」と、Lu氏は述べている。

https://ecancer.org/en/news/22975-aacr-2023-research-finds-oncogene-over-expressed-in-head-and-neck-cancer

(2023年4月20日公開)

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