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12 May 2023
最近の臨床試験で、セミプリマブとプラチナ製剤併用療法が、プラセボとプラチナ製剤併用療法と比較して、進行性肺がん患者の生存期間延長が示された。
今回、American Cancer SocietyのCANCER誌オンライン版(Wiley社)に発表された解析結果によると、セミプリマブとプラチナ製剤化学療法の併用は、化学療法単独と比較してQOLにも影響を与えることが示された。
国際共同第3相試験であるEMPOWER-Lung3試験では、進行期の非小細胞肺がん患者において、プラチナ製剤ベースの化学療法にセミプリマブを追加することで、化学療法単独と比較して生存期間が改善することが示されていた。
QOLも治療効果の重要なパラメータであることから、本試験に登録された患者について、EORTC QLQ-C30およびQLQ-LC13質問票を用いて、化学療法単独と比較してセミプリマブ+プラチナ製剤が症状に与える影響を調査した。
セミプリマブと化学療法併用患者では、プラセボと化学療法併用患者と比較して、疼痛、呼吸困難、便秘、吐き気、嘔吐が有意に改善された。
また、セミプリマブ群に登録された患者は、咳、喀血、嚥下障害などの臨床的に意味のある症状の悪化が大幅に遅れた。
「今回の結果は、進行性非小細胞肺がん患者において、セミプリマブと化学療法併用の優れた有効性と良好な安全性プロファイルが、化学療法単独と比較して患者報告アウトカムの改善につながるという概念を裏づける」と、LTD High Technology Hospital Med Center(グルジア、バトゥミ)のTamta Makharadze医学博士は述べた。
(2023年5月9日公開)