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14 Mar 2023
乳がん患者において、がんのステージと受容体の状態が、初期治療後の再発の有無や時期の予測に役立つことが新研究で示された。
この研究成果は、American Cancer Societyの専門誌CANCERのオンライン版(Wiley社刊)で発表された。
本研究では、University of WisconsinのHeather Neuman氏らが、1997年~2013年にかけて9つの臨床試験に参加し、標準治療を受けていたステージI~IIIの乳がん患者8,007名のデータを分析した。
エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)などの受容体が異なるがんでは、がんが最初に再発するまでの期間が著しく異なる。
各受容体のタイプの中でも、がんのステージは再発までの期間に影響を及ぼした。
再発のリスクは、ER-/PR-/HER2-(トリプルネガティブ)腫瘍で最も高く、最も早く発生した。
ステージIIIで診断されたこれらの腫瘍の患者の5年後の再発確率は45.5%だった。
再発リスクは、ER+/PR+/HER2+(トリプルポジティブ)腫瘍で最も低かった。
ステージIIIで診断されたこれらの腫瘍の患者の5年再発確率は15.3%だった。
その結果、研究者らは、がんのステージと受容体のタイプ別にフォローアップの推奨事項を作成した。
例えば、最もリスクの低い患者は、5年間にわたり毎年1回、腫瘍科チームと面談する必要があるが、最もリスクの高い患者は、5年間にわたり3か月に1回面談する必要がある。
「われわれが開発したフォローアップガイドラインは、乳がんのフォローアップケアの方法を個別化する機会を提供する」と、Neuman博士は述べている。
「リスクに応じてフォローアップを調整することで、ケアの質と効率の向上により、生存者と腫瘍医療従事者の双方に強くポジティブな影響を与える可能性がある」
(2023年3月7日公開)