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e-cancer:乳がん FDAがアベマシクリブと内分泌療法の併用を早期乳がんに対して適応拡大

09 Mar 2023

2023年3月3日、FDA(米国食品医薬品局)は、ホルモン受容体(HR)陽性、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性、リンパ節転移陽性、再発リスクの高い早期乳がん成人患者に対する術後補助療法として、アベマシクリブと内分泌療法(タモキシフェンまたはアロマターゼ阻害剤)の併用療法を承認した。

高リスクと定義された患者は、pALN(病理学的腋窩リンパ節)4個以上、またはpALN1~3個のいずれかを有し、腫瘍グレード3または腫瘍サイズ50mm以上のいずれかを有する患者だった。

アベマシクリブはこれまで、上記の高リスク集団に対して、Ki-67スコア≧20%という追加要件で承認されていた。本日の承認では、Ki-67検査の要件が削除された。

有効性は、再発リスクが高い臨床的・病理的特徴を有する、HR陽性、HER2陰性、リンパ節転移陽性、切除された早期乳がんの成人女性および男性を含む無作為化(1対1)、非盲検、2コホートの多施設共同試験であるmonarchE(NCT03155997)において評価した。

コホート1への登録には、患者はpALN4個以上、またはpALN1~3個のいずれかを有し、腫瘍グレード3または腫瘍の大きさ50mm以上である必要がある。コホート2への登録には、コホート1に登録できない患者で、pALN1~3個を有し、腫瘍のKi-67スコアが20%以上であることが必要である。

患者は、2年間のアベマシクリブ+医師が選択した標準内分泌療法(タモキシフェンまたはアロマターゼ阻害剤)または標準内分泌療法単独にランダムに割り付けられた。

有効性の主要評価項目は、侵襲性無病生存率(IDFS)であった。Intent-to-treat(ITT)集団において、主にコホート1の患者に起因する統計的有意差が観察された(コホート1 N=5120 [91%]; IDFS HR 0.653 (95% CI: 0.567, 0.753) )。48か月後のIDFSは、アベマシクリブ+標準内分泌療法で85.5%(95%CI:83.8、87.0)、標準内分泌療法単独で78.6%(95%CI:76.7、80.4)だった。

全生存期間のデータは未熟だが、コホート2では、標準内分泌療法単独と比較して、アベマシクリブ+標準内分泌療法でより多くの死亡が観察された(10/253 対 5/264)。
そのため、適応はコホート1に限定された。

主な副作用(20%以上)は、下痢、感染症、好中球減少症、疲労、白血球減少症、悪心、貧血、頭痛であった。

推奨されるアベマシクリブの開始用量は150mgで、1日2回、タモキシフェンまたはアロマターゼ阻害剤とともに、2年間の治療終了まで、または疾患の再発もしくは許容できない毒性が出るまで服用する。

この審査では、FDAの評価を容易にするために、申請者から任意で提出されるAssessment Aidを使用した。FDAは、本申請をFDAの目標期日より2か月早く承認した。

https://ecancer.org/en/news/22756-fda-expands-early-breast-cancer-indication-for-abemaciclib-with-endocrine-therapy

(2023年3月6日公開)

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