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16 Feb 2023
集団ベースのゲノムスクリーニングにより、RET遺伝子変異を有する患者の甲状腺髄様がん(MTC)の早期発見が容易になることが、新たな研究で明らかになった。
MTCは甲状腺がんの2~5%を占め、甲状腺がんによる全死亡の13%の原因である。MTC症例の約4分の1は遺伝性であり、RET遺伝子変異に起因する可能性がある。
この研究では、MyCode Community Health Initiativeの一環として、RET遺伝子変異が検出された75人の患者を評価した。どの患者も、これらの遺伝子検査を受ける前に甲状腺がんの症状はなかった。これらの患者のうち20人は、RET遺伝子変異を知った後に甲状腺切除を選択し、13人はリンパ節も切除した。手術を選択した20人のうち、12人にがんが検出された。さらに2人の患者には、MTCの前駆症状として知られるC細胞過形成がみられた。この結果は、JAMA Otolaryngology – Head and Neck Surgery誌に掲載された。
ゲノムスクリーニングは、MTCの早期発見と治療の機会を提供するが、患者がこの疾患を理解し、遺伝的リスク因子に基づいて治療を決定するために必要な教育やリソースを確保するために、さらなる取り組みが必要であると研究チームは述べた。
Geisinger Health Systemの耳鼻咽喉科、頭頸部外科部長であり、この研究の筆頭著者であるNicholas Purdy(D.O.、FACS)は、「発見時に症状がなかったために手術を受けない選択をした患者や、潜在的リスクの可能性があり行動を躊躇する患者がいた可能性がある」と述べている。「ケアの障壁をさらに特定し、すべての患者が自分のケアについて十分な情報を得た上で意思決定するために必要な情報を確実に得られるようにすることが重要である」
「MyCodeを介したゲノムスクリーニングにより、これまで認識されていなかったがんやその他の重篤な疾患のリスクを発見し、早期に介入することができる」と、Geisingerのゲノムヘルス部門長であり、本研究の共著者であるAdam Buchanan, M.S., MPHは述べている。「しかし同時に、そのプロセスを通して患者と臨床医を支援し、患者と家族のために健康上の良い成果をもたらす可能性を向上させる研究を行うことも不可欠である」
https://ecancer.org/en/news/22607-genomic-screening-can-help-detect-thyroid-cancer
(2023年1月26日公開)