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e-cancer:乳がん 乳がん予防ワクチン研究の次の一手は

15 Feb 2023

Cleveland Clinicの研究者らは、最も侵攻性が高く致死的なトリプルネガティブ乳がんの予防を目的としたワクチンの新規研究の次のステップを開始した。

米国国防総省が資金提供する、この新しい第1b相試験は、乳がん発症リスクが高いがん未発症者で、リスクを下げるために予防的乳房切除を自発的に受けることを決めた人を登録する予定である。

このカテゴリーに属する人は、トリプルネガティブ乳がん発症リスクのある遺伝子変異を持っているか、あらゆる乳がんに対する高い家族性リスクを有していることが一般的である。

本試験は、Cleveland Clinic本校で実施され、安全性の評価と免疫反応のモニタリングが行われる。

この新しい試験には約6~12名の患者が参加し、2023年末に完了する予定である。

試験参加者は、2週間間隔で3回のワクチン接種を受け、副作用や免疫反応について注意深く観察される。

Anixa Biosciences社との提携による第1b相臨床試験は、2021年に開始し2023年第4四半期に完了する予定の進行中の第1a相臨床試験に続くものである。

第1a相臨床試験は、過去3年以内に早期トリプルネガティブ乳がんに対する治療を終了し、現在は腫瘍がないものの、再発リスクが高い患者を対象としている。

Cleveland ClinicのTaussig Cancer InstituteのG. Thomas Budd医学博士は、「トリプルネガティブ乳がんは、われわれが最も有効な治療法を持たない疾患である」と述べている。

「長期的には、がんでない人に投与して、この非常に攻撃的な病気の発症を防ぐ、真の予防ワクチンとなることを期待している」

Budd博士によれば、トリプルネガティブ乳がんは、ホルモン療法や標的治療が効かない生物学的特徴があるため、治療法の改善が強く望まれている。

トリプルネガティブ乳がんは、乳がん全体の約12%から15%を占めるに過ぎないが、乳がんによる死亡において不釣り合いなほど高い割合を占めている。

黒人女性に2倍発生しやすく、BRCA1遺伝子に変異がある女性に発生する乳がんは、約70~80%がトリプルネガティブ乳がんである。

このワクチンは、Cleveland ClinicのLerner Research InstituteでInnovative Breast Cancer ResearchのMort and Iris November Distinguished Chairだった故Vincent Tuohy博士が主導した前臨床研究をベースにしている。

Tuohy博士は傑出した情熱的な科学者であり、彼の数十年にわたる画期的な研究により、この治験用ワクチンの開発が実現した。

乳がんが発症すると、免疫系が腫瘍を攻撃し、腫瘍の成長を抑えるよう促すワクチンである。

この研究は、α-ラクトアルブミンに対する免疫系を活性化することで、安全かつ効果的にマウスの乳がんを予防できることを示したTuohy博士の研究に基づいている。
この研究は、Nature Medicine誌に掲載されたもので、過去12年間に2万人以上の人々から寄せられた慈善寄付金によって一部資金がまかなわれている。

「このワクチンによって、乳がんをコントロールする新しい方法としての予防接種の可能性が示され、同様のアプローチがいつの日か他の種類の悪性腫瘍にも適用されることが、Tuohy博士の望みだった」と、Budd博士は付け加えた。

https://ecancer.org/en/news/22690-the-next-step-in-the-preventive-breast-cancer-vaccine-study

(2023年2月9日公開)

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