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15 Sep 2022
「何を与えるかだけでなく、いつ与えるかが重要である。SWOG S1801は、切除可能なメラノーマに対して同じ治療を異なる順序で行うことで、メラノーマの再発率を低くできることを実証している」と、米国ヒューストンのUniversity of Texas MD Anderson Cancer Centerの筆頭著者Sapna Patel氏は述べている。
「今回は、免疫チェックポイント阻害剤であるペムブロリズマブを使用した。
この治療法は、がん細胞に出会う既存のT細胞が存在することを利用して、手術後に投与するよりも、メラノーマを切除し、それとともに腫瘍特異的T細胞の大部分を捨てる前に、より大きな免疫反応を発生させるものである。
われわれの研究では、ネオアジュバント群はアジュバント群に比べ、無イベント生存率が向上していることが確認された。
重要なことは、ペムブロリズマブのアジュバント療法開始前に、両群で同数の患者がイベントを経験したが、アジュバント療法後のイベント発生率はアジュバント群で高かった(悪化した)ことである。S1801の知見は、メラノーマや免疫チェックポイント阻害剤が奏効する他のがんの患者の治療順序について重要な示唆を与えている」
本試験の結果を文脈的に説明し、本研究に関与していないデンマーク、ヘレヴのCopenhagen University Hospital、National Center for Cancer Immune Therapy (CCIT-DK)のMarco Donia氏は次のように述べた。「切除可能なメラノーマにおけるネオアジュバント免疫療法(NAT)は、特に興味をそそられる。
無傷の腫瘍に対して患者の免疫反応を刺激することは、より自然な免疫学的環境と腫瘍抗原の提示の改善から恩恵を受ける可能性がある。この戦略は、複数の臨床試験や、利用可能な治療法が現在の標準とは異なる順序で使用される場面で評価されている」
この結果についてDonia氏は、「SWOG S1801は、NATに続いて手術を行うことが安全で実現可能な戦略であることを示している。CPR率は、以前に同様の環境で観察されたものと同様であり、抗PD-1単剤療法による転移性環境で観察されたCR率から遠いものではない。
ATと比較してNATでEFSが早期に改善したことは非常に有望である。全体として、これらの初期の肯定的な結果は、NATがステージIIIB-IVの切除可能なメラノーマ患者に対する新しい標準治療となるかどうかを理解するために、さらなるOSフォローアップと追加の第3相試験を正当化する。肯定的な結果は、NATを直ちに実施することにつながる可能性がある」
(2022年9月11日公開)