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e-cancer:がん全般 自然と融合した新たながん治療

01 Jul 2022

天然化合物は有望な治療効果を有することが多いが、毒性や好ましくない作用があるため、疾患治療への使用が阻まれている。

Instituto de Medicina Molecular João Lobo Antunes (iMM;ポルトガル)のグループリーダーであり、ケンブリッジ大学(ケンブリッジ、英国)の教授であるGonçaloBernardes氏と生物科学共同研究センター(デリオ、スペイン)のグループリーダーであるGonzaloJiménez-Osés氏による、急性骨髄性白血病の治療に有効な治療薬としてブラジル産ラパチョの樹皮に由来する天然化合物を用いた新しい化学反応の開発に関する新たな研究が6月27日付けで科学雑誌Nature Chemistry誌に発表された。

急性骨髄性白血病は、成人の急性白血病の中で最も多く、骨髄性細胞と呼ばれる種類の未成熟な血液細胞の数が異常に増加することから生じる進行性のがんである。

5年生存率は20%前後と低く、再発率が高い。

「急性骨髄性白血病に対する新たな治療法を見つけることは重要である。薬効成分を有する天然化合物はたくさんあるが、健康な細胞に対する毒性や悪影響を与える可能性があるため、現時点では治療薬として使用することはできない。Gonzalo Jiménez-Osés氏と共同で行ったこの研究では、これらの天然化合物を用い、その悪影響を抑制して治療効果を発揮できるように改良した」と、iMMのグループリーダーで本研究の共同リーダーであるGonçalo Bernardes氏は説明している。

2018年にこのチームは機械学習を用いて、β-ラパコンと呼ばれるオルト-キノン類に属するラパチョの樹皮から化合物の標的部位を特定した。

これらの化合物は、がんの特徴である細胞数の異常な増加を抑制する可能性があることが知られており、白血病治療薬の有力な候補とされている。

「今回の研究で開発したβ-ラパコンという化合物は、白血病の治療薬として有望だが、その反応特性が望ましくない影響を及ぼす可能性がある。本研究では、化合物の悪影響を最小限に抑えるために2つの戦略を組み合わせた。1つは、反応特性から保護するための化学基をこの化合物に加えた。これは、薬の毒性をカバーするマスクのような役割を果たす。このマスクは、細胞内部に相当するより酸性の環境下で放出される。これが第2の戦略につながる。改良した化合物をタンパク質、つまり抗体に結合させ、それががん細胞の内部に直接運ばれるようにした」とGonçalo Bernardes氏は付け加えた。

「がん細胞には、正常な細胞と区別するための目印がある。急性骨髄性白血病では、CD 33と呼ばれるこの特異的マーカーの1つががん細胞に存在することが知られている。我々は、このCD 33に特異的に結合する抗体に天然産物を結合させた。これにより、正常な細胞を傷つけることなく薬物が体内を通過できるようになり、抗体ががん細胞に遭遇すると、CD 33マーカーに結合して薬物を送達する。この時点で、それは活性型かつ毒性型に変化し、がん細胞を死滅させる」と、本研究の共同執筆者であるAna Guerreiro氏は説明した。

このアプローチは急性骨髄性白血病の治療に関して利点があるだけでなく、本研究で開発された化学は他の貴重な天然化合物にも応用でき、これまで医薬品として使用できなかった治療効果のある化合物を利用することが可能になるだろう。

https://ecancer.org/en/news/21997-joining-forces-with-nature-for-new-cancer-therapies

(2022年6月27日公開)

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