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e-cancer:婦人科がん ER陽性再発性子宮内膜がん患者において薬剤併用が有効

30 Mar 2022

エストロゲン受容体(ER)陽性の再発・難治性子宮内膜がん患者75%において、がん細胞を内側と外側から標的とする併用療法により、腫瘍が縮小または安定化することが、最近の臨床試験の結果から明らかになった。Dana-Farber Cancer Instituteの臨床試験責任者は、Society of Gynecologic Oncology (SGO) 年次総会の本日のセッションでこの結果を発表する予定である。

本試験は、エストロゲンによって腫瘍が増殖するER陽性の再発性子宮内膜がん患者30名を対象に、アベマシクリブ(標的薬)とレトロゾール(アロマターゼ阻害薬)の併用療法を評価する第2相試験である。患者は中央値で3回の前治療を受けており、そのうち約半数はホルモン療法を受けていた。

中央値12.5か月の追跡調査において、患者の75%で腫瘍が縮小または安定した状態になった。また、患者の約30%で腫瘍が30%以上縮小した。この効果は持続的で、病状が悪化し始めるまでの期間の中央値は9.1か月であった。

2剤併用療法はほとんどの患者にとって忍容性があり、毒性による副作用で試験から脱落したのは2名だった。一部の患者はこの治療法の恩恵を受け、1年以上試験を継続した。2名は2年以上継続している。

SGOで発表するDana-FarberのPanagiotis Konstantinopoulos医学博士(筆頭著者)は、「このレジメンを他の子宮内膜がんに対する内分泌療法の効果と比較すると、この組み合わせは非常に有望であることがわかる」と述べている。「この研究結果は、エストロゲン受容体を発現している再発性子宮内膜がん患者にとって、非常に有効な代替内分泌療法となることを示唆している。

子宮内膜に発生する子宮内膜がんは、世界で6番目に多いがんであり、毎年40万人以上の女性が診断されている。子宮内膜腫瘍の大部分はER陽性である。

内分泌療法は、化学療法や免疫療法後にがんが増殖し始めた患者や、がんの進行が遅く症状が比較的軽い患者に対して、腫瘍細胞に到達するエストロゲンの量を減らすもので、選択肢の一つとなっている。このような治療法の効果はかなり低く、短期間で終了する傾向があるため、研究者はその効果を高める方法を探っている。

レトロゾールは、脂肪組織に存在する酵素が特定のホルモンをエストロゲンに変換するのを阻害することにより、エストロゲンレベル全体を低下させる。アベマシクリブは、細胞増殖に重要な役割を果たすCDK4およびCDK6タンパク質を阻害する。

これらの薬剤を併用することで、ER陽性の子宮内膜がん細胞に対して、その増殖過程における重要な歯車を取り除くと同時に、エストロゲンの利用可能性を低下させるという2方面からの攻撃が可能になる。

患者の腫瘍組織を分析した結果、腫瘍のグレード(顕微鏡で見た細胞の異常度)、ホルモン療法の前治療、腫瘍細胞上のプロゲステロン受容体の有無にかかわらず、レジメンへの反応が確認された。

腫瘍細胞にKRAS、CTNNB1、CDK2NA遺伝子のいずれかの変異がある患者では、全員が治療に反応し、腫瘍にTP53変異がある患者では、反応しにくいことがわかった。

「今回の知見に基づき、レトロゾールとアベマシクリブの併用療法は、再発したER陽性子宮内膜がん患者に対してさらなる評価の価値があると考えるべきである」とKonstantinopoulos氏は述べている。

https://ecancer.org/en/news/21682-drug-combination-shows-effectiveness-in-patients-with-recurrent-er-positive-endometrial-cancer

(2022年3月19日公開)

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