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29 Mar 2022
2022年3月18日、米国食品医薬品局は切除不能または転移性メラノーマの成人および12歳以上の小児患者の治療薬としてニボルマブとRelatlimabの固定用量配合剤を承認した。この新薬は、抗LAG-3抗体relatlimabと抗PD-1抗体ニボルマブの合剤である。
未治療の転移性または切除不能のステージIIIまたはIVのメラノーマ患者714名を対象とした無作為化二重盲検試験(1:1)であるRELATIVITY-047(NCT03470922)で有効性を評価した。
活動性の自己免疫疾患、中等量または高用量のステロイドまたは免疫抑制剤による全身療法を要する疾患、ぶどう膜黒色腫、活動性または未治療の脳転移または軟髄膜転移を有する患者は除外した。患者をニボルマブ+Relatlimabの固定用量配合剤(ニボルマブ480mg+relatlimab 160mg)を4週間ごとに点滴静注する群もしくはニボルマブ480mgを4週間ごとに点滴静注する群に無作為に割り付け、病勢進行または忍容できない毒性が現れるまで継続した。
主要評価項目は固形がんの治療効果判定のためのガイドライン(RECIST v1.1)を用いた盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)であった。
本試験でニボルマブ+Relatlimabの固定用量配合剤のBICRによるPFSは、ニボルマブ単剤と比較して統計的に有意に改善することが示された(HR=0.75、95%信頼区間[CI]:0.62-0.92、p値:0.0055)。PFS中央値はニボルマブ+Relatlimabの固定用量配合剤群で10.1カ月(95% CI: 6.4-15.7)、ニボルマブ群で4.6ヵ月(95% CI: 3.4-5.6)であった。
副次評価項目は全生存期間(OS)であった。最終解析では、OS中央値はニボルマブ+Relatlimabの固定用量配合剤群で34.2ヵ月(95%CI:34.2、NR)、ニボルマブ群で34.1ヵ月(95%CI:25.2、NR)であり、統計的に有意ではなかった(HR=0.80、95%CI:0.64-1.01)。
ニボルマブ+Relatlimabの固定用量配合剤で最も多くみられた副作用(20%以上)は筋骨格痛、疲労、発疹、そう痒症、下痢であった。主な臨床検査値異常(20%以上)はヘモグロビン減少、リンパ球減少、AST上昇、ALT上昇、ナトリウム減少であった。
成人および体重40キロ以上の12歳以上の小児患者に対するニボルマブ+Relatlimabの固定用量配合剤の推奨用量は、病勢進行または忍容できない毒性が発現するまでのニボルマブ480mgおよびrelatlimab160mgの4週間隔の静脈内投与である。
12歳以上で体重40キロ未満の小児患者に対する推奨用量は確立されていない。
(2022年3月21日公開)