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e-cancer:乳がん 乳がんの個別化治療薬の特定に向けた新たな方法

22 Mar 2022

University of Utah (U of U) のHuntsman Cancer Instituteの研究者らは、長年にわたり、乳がん患者から提供された腫瘍を利用して乳がんモデルを開発し、それをマウスに移植して腫瘍の行動を研究するというプロセスに磨きをかけてきた。

今回、研究チームは、これらの腫瘍をより効率的に増殖させる新しい方法を報告した。

さらに、腫瘍の特徴に基づいた臨床治療の優先順位付けに役立つ可能性のある薬剤を試験するプロセスの概要を説明している。

Nature Cancer誌に掲載されたこの研究では、研究者らは、各腫瘍のユニークな特徴とがんの実験モデルにおける行動に基づいて、各腫瘍に有効な薬剤数を絞り込む方法を生み出した。

このリソースを使って、研究者らは実験モデルに対して高い効果を持つ実験薬や食品医薬品局(FDA)認可の医薬品を探し出した。

この研究を発展させ、転移性乳がんの治療を個別化したところ、患者は完全奏効し、無増悪生存期間がこれまでの治療法の3倍以上延長した。

「われわれは、データを活用して、患者の治療オプションに優先順位をつけることができた」と、Huntsman Cancer Instituteの乳がん研究者およびU of Uの腫瘍科学教授でもある、共同研究者のAlana Welm博士は述べる。「この治療は残念ながら、治癒的ではないが、患者の腫瘍の退縮と生存期間の長期化につながった」

Welm氏は、このユニークな腫瘍モデルバンクは、侵襲性乳がんの研究を進める上で非常に重要であると述べている。「また、われわれの知る限り、このようなモデルが、臨床試験の場で、乳がん患者の治療法の選択に影響を与えるために使用されたのは、初めてのことである」

研究チームは、U of UのHuntsman Cancer Institute、Baylor College of Medicine、Jackson Labs、University of Connecticut、University of Pittsburghの臨床医、研究所研究員、技術者など多彩な顔ぶれで構成されている。

研究チームは、臨床で見られる現在の課題に最も合致するサンプルについて、優先的に研究を進めることにした。

この研究成果をもとに、FORESEE(NCT04450706)という新しい臨床試験が行われている。

Huntsman Cancer Instituteの腫瘍学部長であるSaundra Buys医学博士が主導するこの試験は、転移性乳がん患者の治療選択に情報を提供するために、患者由来の腫瘍モデルを検証するものである。

Welm氏は、開発中の2番目の試験で、「われわれはまた、モデルを使って、新しく診断された乳がん患者の小集団の再発を予測し、再発が起こったときに、疾患の転移期の治療を個別化することを試みる」と述べている。

https://ecancer.org/en/news/21643-research-team-outlines-new-methods-to-identify-personalised-drug-treatments-for-breast-cancer

(2022年3月2日公開)

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