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e-cancer:婦人科がん 進行子宮内膜がんに対する有望な免疫療法薬

26 Jan 2022

Ohio State University Comprehensive Cancer Center(Arthur G. James Cancer Hospital and Richard J. Solove Research Institute、以下OSUCCC-James)の研究者らが主導した国際共同第2相臨床試験結果によると、現在米国食品医薬品局(FDA)が複数のがんの治療薬として承認しているがん免疫療法薬は、進行子宮内膜がんに対しても有効であることが明らかになった。

本研究では、再発または進行子宮内膜がんと診断された女性90名を登録し、MMR欠損(dMMR)またはMSI高値腫瘍を有する患者のこのサブセットに対して、ペムブロリズマブが効果的に使用可能かどうかを検討した。本試験では、15か国38病院で治療を受けた患者が対象となった。

ペムブロリズマブは、免疫系ががん細胞を認識して破壊するのを妨げる特定の細胞受容体を阻害することで作用するがん免疫療法薬である。FDAはこの薬剤を、メラノーマ、肺がん、頭頸部がん、子宮頸がん、胃がんなどの他のがんの治療薬として承認している。

この研究では、進行子宮内膜がん患者の48%が完全奏効または部分奏効を経験したことが示された。また、これらの患者の3分の2は、3年以上奏効が持続していた。さらに、全患者の3分の2が臨床的奏効を示した。本試験は、これまでに報告された中で最も長い追跡調査であり、追跡調査期間の中央値は42.6か月であった。

「これらの知見は、患者に対する長期的なベネフィットを示唆している。再発または転移性子宮体がん患者において、治癒を目指すことさえ可能になった」と、本研究の主執筆者でOSUCCC – Jamesの婦人科腫瘍医であるDavid O’Malley博士は述べている。

より早期の疾患に対するペムブロリズマブの治療については、現在臨床試験が進行中である。

国際研究チームは、この知見をJournal of Clinical Oncology誌で報告している。

子宮内膜がんは、世界で2番目に多い女性のがんであり、罹患率は増加傾向にある。白金製剤をベースとした化学療法レジメンは有効だが、多くの患者さんが再発を経験する。

再発または転移性疾患に対する有効な二次治療は限られており、進行・再発性疾患の女性の5年生存率は17%である。

これまでの研究から、子宮内膜がん患者の最大31%が、マイクロサテライト不安定性(MSI-H)およびミスマッチ修復欠損(dMMR)と呼ばれるDNA構造の変化を有していることが示唆されている。そのうちの約2%の患者には、ミスマッチ修復(MMR)遺伝子の一つにおける遺伝性の突然変異(家族間で受け継がれ、臨床的にはリンチ症候群として知られている)が見られる。O’Malley博士は、この突然変異は通常腫瘍に存在し、遺伝子変異ではないことを指摘している。

「この標的薬でこの損傷した経路を標的にすることで、細胞メカニズムをリセットし、免疫系が再活性化してがん細胞を攻撃できるようになる」と、O’Malley博士は述べた。

本試験のデータ以前には、MSI-H/dMMR陽性腫瘍を有する子宮内膜がん患者に対する標準治療の二次治療は認められていなかった; しかし、研究者らは、この研究の全奏効率は、二次治療として最もよく用いられる他の化学療法薬から得られる期待奏効率10~15%と比較して非常に高いことに注目している。

この研究は、医薬品ペムブロリズマブの製造元であるMerck社の協賛で行われた。この研究の共著者数名は、O’Malley博士を含め、Merck社またはその子会社から研究資金やコンサルタント・アドバイザーの役割を担っている。この研究の共著者には、Giovanni Mendonca Bariani博士、Philippe A. Cassier博士、Aurelien Marabelle博士、Aaron R. Hansen博士、Ana De Jesus Acosta博士、Wilson H. Miller Jr博士、Tamar Safra博士、Antoine Italiano博士、Linda Mileshkin博士、Lei Xu博士、Fan Jin博士、Kevin Norwood博士およびMichele Maio博士が含まれる。

https://ecancer.org/en/news/21457-immunotherapy-drug-shows-promise-in-advanced-endometrial-cancer

(2022年1月7日公開)

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