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e-cancer:肺がん 肺がん治療を妨げる一般的な薬剤

07 Dec 2021

Flinders Universityの新たな研究によると、胃食道逆流、胸焼けや潰瘍によく使われる薬剤は肺がん免疫療法薬の有効性を低下させる恐れがある。

British Journal of Cancer誌で公表されたこの研究は、85%を占める最もよくある肺がん、非小細胞肺がんの治療を受けている患者に及ぼすプロトンポンプ阻害薬(PPI)の影響を調査したものである。

患者は化学療法を受けたか、または化学療法とがん細胞を殺傷するよう免疫系を強化するように開発された、免疫チェックポイント阻害薬であるアテゾリズマブの併用療法を受けた。

研究者らは、PPIの使用がアテゾリズマブと化学療法の併用治療を受けている進行がん患者の生存率の低下に関連していることを見出したが、化学療法のみを受けた患者にはその関連はなく、PPIの使用は免疫療法のベネフィットを有意に減少させることに関連があることが本試験により明らかにされた。

本研究の筆頭著者であるFlinders Health and Medical Research InstituteのDr. Ash Hopkinsは、PPIの影響をよく理解することが重要であると述べている。

「胃に関する問題や胃食道逆流症はがん患者によくみられるため、制酸剤やPPIの使用は一般的である。がん患者の約30%がこれらを使用し、通常は長期間にわたる」と語るのは、Flinders University臨床がん疫学研究所責任者、およびNHMRC治験責任医師フェローのHopkins氏である。

「懸念されることは、ほとんど有害ではないとみられているために薬剤が過剰に乱用されたり、不適切に使用されていることである。しかし、このアプローチを変える必要があることを我々の研究は明らかにした」

PPIは胃壁の胃酸生成を減少させることにより数多くの胃に関わる症状を治療し、その種類やブランドにはエソメプラゾール、ランソプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾールがある。

近年の研究で、この薬物療法は腸内細菌叢に重大な変化を引き起こす可能性があり、それによりがん免疫療法に影響をおよぼす恐れがあるということが明らかにされた。

「免疫チェックポイント阻害薬(ICI)はT細胞のスイッチを入れてがん性腫瘍を殺傷する、または抑制して免疫系を助けるが、腸内細菌叢もまた我々の身体とその免疫機能を調整する重要な役割を担う」とHopkins氏は語る。

「この腸内細菌叢が影響を受けるとICIが免疫系を活性化する能力を止める可能性があり、薬剤はがん撃退に対してうまく機能しないのである」

今後さらなる研究が必要ではあるが、腫瘍科医が患者へのPPIの広範囲な使用を再検討すべき時であるかもしれないと研究者らは述べている。

エビデンスの増加に伴い、この影響はさまざまながん種にわたり認められており、世界中でPPIの使用が増えている。いかにPPIががん治療に影響を与えているかについて最終的に判断する必要性が迫られているが、兆候は確かにある」とHopkins氏は語る。

「プロトンポンプ阻害薬を投与されている非小細胞肺がん患者における第一選択のアテゾリズマブ併用療法の有効性:Impower150の事後解析」Ashley M. Hopkins、Ganessan Kichenadasse、Ross A. McKinnon、Ahmad Y. Abuhelwa、Jessica M. Logan、Sarah Badaoui、Christos S. Karapetis、Andrew Rowland、Michael J. Sorich 著は、British Journal of Cancer誌に掲載されている。

https://ecancer.org/en/news/21308-common-medication-hindering-lung-cancer-treatment

(2021年11月25日公開)

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