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e-cancer:脳および神経系 新たな研究により、さまざまながん種は脳の特定領域に拡大する可能性が高いことが示唆されている

06 Oct 2021

脳転移は、身体の一部の臓器のがんが脳に転移したときに発生する。がん患者におけるこのような転移性脳腫瘍の生涯発生率は、20~45%であると本研究は示している。

Keck Medicine of USCの一部であるUSC Norris Comprehensive Cancer Centerの新たな研究は、がんが脳内に拡大する領域はランダムではなく、がんが体内のどこで発生したかに依存していることを示唆している。

「がんが転移すると、さまざまながん種は脳の特定の部分に現れる可能性が高いことを発見した。これは、腫瘍の位置が明確なパターンに従っていることを示している」と、Keck Medicine of USCの脳神経外科医であり本研究の上級著者であるGabriel Zada MDは述べた。彼はまた、USC Norrisのメンバーであり、USC脳腫瘍センターの所長でもある。

Zada氏らは、一般的な5種類のがん、黒色腫(皮膚がんの一種)、肺、乳房、腎臓、および結腸直腸によって引き起こされる脳腫瘍の位置を分析した。

彼らは、肺がんと黒色腫は、前頭葉と側頭葉(耳の後ろ)に転移する可能性が高いことを発見した。乳がん、腎臓がん、結腸がんは、小脳や脳幹などの脳の奥に広がる傾向が高かった。

この発見は、特定のがんが脳のどの部分に拡大するかを予測するだけでなく、脳腫瘍の増殖にも影響を与えるため重要である。

「がん細胞は、脳内の局所的な微小環境に適応してコロニーを形成し、増殖する能力を持っている一方で、脳の他の領域では同じ細胞が存在することができない可能性がある」と、USC Brain Tumour Centerのscientific directorで筆頭著者でもあるUSCのKeck School of Medicineの神経外科および生理学と神経科学の助教授であるJosh Neman, PhDは述べている。彼はUSC Norrisのメンバーでもある。

結論に至るために、研究者らは、脳腫瘍やその他病変の治療に使用される低侵襲の標的型放射線手術である定位放射線治療(SRS)を使用して治療された転移性脳腫瘍患者からデータを収集した。

SRSを使用すると、外科医は脳内の腫瘍の座標を正確に定義できる。

研究者らは、1994~2015年にUSCのKeck Medical Centerで治療された皮膚、肺、乳房、腎臓、または結腸がんから発生した約3,200の脳転移性腫瘍を有する患者970人のSRS座標を使用した。

彼らは、原発性腫瘍の発生起源に基づいて脳転移の正確な位置を分析するために、2つの予測数理モデルを作成した。

1つのモデルは、異なる脳領域が特定の種類のがんに比較的影響を受けやすいことを示した。もう1つのモデルは、特定の脳領域に各がんが転移する確率を提供した。

いずれのモデルにおいても、脳のどの領域にがん特異的腫瘍が発生する可能性が最も高いかについて、ほぼ同様の結果が得られた。

研究者らは、この研究結果が脳腫瘍の最終的な予防と治療に役立つ可能性があると確信している。

「脳内の特定の化学物質や神経伝達物質など、転移のプロセスを促進または阻止する要因を理解できれば、がんの転移を阻止または予防する方法や、がんが拡大した際に治療する方法があるかもしれない」とNeman氏は述べた。

「実際、我々はすでに、患者のためのより適切な標的療法を開発することを期待して、脳の特定の領域が特定のがん細胞を受け入れない理由を調べるための研究を行っている」

Zada氏とNeman氏は現在、本研究データを使用して、複数の身体部位を含む国際試験に参加し、原発性がんの種類に基づいた脳転移のパターンをさらに研究している。

「この大規模な研究が、非常に多くの一般的ながんの合併症についてより理解し、治療するための取り組みにおいて、どのような新情報をもたらすのか興奮している」とZada氏は述べている。

https://ecancer.org/en/news/20990-new-study-shows-that-different-types-of-cancers-are-likely-to-spread-to-specific-areas-of-the-brain

(2021年9月24日公開)

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