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08 Sep 2021
がんはヒトの生命にとって大きな脅威であり、がん転移はがん患者の主な死亡原因である。
循環腫瘍細胞(CTC)は、がん転移の臨床的バイオマーカーの一つである。
血中CTCサンプル検出のための現在のin vitro法は、末梢血液内でのCTCの分布には経時的な有意な変化がないという仮定に基づいているが、この方法の正確性は、近年の研究により課題を抱えている。
これは、患者または実験動物から継続的に採血することは実用的ではないからである。日常のCTC変動数を調べる理想的な方法は、長時間にわたり生体内でCTCを監視することである。
Light Science & Application誌で公表された新たな論文で、北京大学生体工学部、中国、上海交通大学Med-X研究所および生体工学部教授Xunbin Wei氏が率いる研究者チームとその同僚により、異種移植腫瘍モデルにおいて、CTCを監視する非侵襲性光学方法が開発された。
彼らが開発したこの光学システムは、「インビボ・フローサイトメトリー(IVFC)」と名付けられ、従来の生体外で蛍光標識された細胞を検知するのみの「インビトロ」フローサイトメトリーとは異なる。IVFCでは、実験用マウスの耳の微細動脈全体に焦点を当てるようにレーザーが調節された。
蛍光標識されたCTCがライトシートを通過する際、蛍光が流出し、光電子倍増管(PMT)により検出された。この光学的構造の有意性を指摘するのであれば、血液循環中のCTCを非侵襲的、反復的、および連続的に検知することができるということである。
「我々のIVFC技法は、CTC検出に用いられる現在のインラボまたは臨床方法とは異なる。
システム作動のために採血を要しない。採血の繰り返しにより生態環境が損傷を受けることがないため、長時間CTCを定期的、非侵襲的に監視することができる」と彼らは語る。
この技法で、彼らは前立腺がんの同所性マウスモデルのGFP発現CTCを、がん進行のさまざまなステージで24時間にわたり観察した。
CTC数については、げっ歯類が活動的になる夜に著しい変動を観察した。
CTC検知のために、第6、12、18および24日にIVFCがリアルタイムで用いられ、その結果、転移循環の早期で明らかな群発活性を示した。この群発活性の確率は後期より早期で高いことが示唆された。
「この発見により、CTCと時間枠との関係に関する理解が広がる可能性がある。CTCは一日中血液中に均等に分布されてはいない。昼と夜では異なる。これは概日リズムがCTC放出を調整している可能性を示唆している。
この要因はCTCの臨床検出に考慮されるべきである」
「CTCは、人々の予想よりさらに複雑なようである。
この研究により、臨床CTC検出に影響を及ぼす可能性のある要因が明らかにされた。もしCTCが変動し、昼夜にわたり突発するのであれば、それを把握することは非常に重要となり、それによりCTC分布の規則性の理解を高めるであろう。
IVFCの技法では、繰り返しの施術により生態環境が変化する恐れがあるため、異なる時点での採血を要することはない。我々は、ますますCTCおよびがん転移について理解を深めていることに疑いの余地はない。
CTCの検出は、これまで以上により精密になりつつある」と生物学者や臨床医は語った。
(2021年8月27日公開)