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02 Jul 2021
CASSIOPEIA第Ⅲ相試験のパート1で、新規に多発性骨髄腫と診断された移植適応患者を対象に、ダラツムマブにボルテゾミブ、サリドマイド、およびデキサメタゾンを併用する(daratumumab to bortezomib, thalidomide, and dexamethasone:D-VTd)寛解導入/地固め療法とボルテゾミブ、サリドマイド、およびデキサメタゾン(VTd)単独療法の比較が行われた。
この試験の結果、自家幹細胞移植(ASCT)を併用した場合、VTd単独療法に比べD-VTd療法の方が優れた有効性を示したことから、この治療法に対する規制当局の承認が得られた。
CASSIOPEIA試験のパート2の中間解析は、この研究のパート1での奏効者全886例を対象に、ダラツムマブ維持療法(8週毎に16mg/kg)を監視下治療と比較することを目的とした。
EHA 2021で発表された中間解析の結果から、ダラツムマブ維持療法を受けた患者は、監視下治療群に比べ、無増悪生存期間(PFS)が有意に延長していたことが判明した。
しかしながら、寛解導入/地固め療法により患者を層別化したところ、このベネフィットは、CASSIOPEIAパート1で以前にVTd療法を受けていた患者にのみ認められることが明らかになった。
パート1でD-VTd療法を受けダラツムマブ維持療法群に割付けられた患者は、監視下治療群と同等のPFSを示した。
さらに、ダラツムマブ維持療法は奏効の深さ(Depth of Response)の有意な増加をもたらし、新たな安全性シグナルは検出されなかった。
要約すると、ダラツムマブ維持療法は、VTd寛解導入/地固め療法を受けたASCT後の患者に有効である。
(2021年6月12日公開)