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e-cancer:婦人科がん ASCO2021:追加の化学療法は局所進行子宮頸がん患者に延命効果をもたらさない

10 Jun 2021

第III相国際試験結果によると、標準的な化学放射線療法後に追加の化学療法を行っても、局所進行子宮頸がん女性の生存率は改善せず、追加の副作用が伴うことが示された。

2021 American Society of Clinical Oncology (ASCO) 年次総会で発表される予定のこれらの長い間期待された調査結果は、このレジメンが患者の遠隔疾患の再発を減らすことを期待していた早期導入者の実践を直ちに変える可能性がある。

しかし、かなりの割合の患者が遠隔転移疾患の結果として再発し、死亡している。

化学放射線療法後のカルボプラチンおよびパクリタキセル化学療法は、転移性および再発性の初期治療として有効であり、他のがんの補助療法として使用され成功しているため、一部の腫瘍医は局所進行子宮頸がんの女性を定期的にこのレジメンで治療している。

しかし、今まで、この状況での化学療法の追加に賛成または反対する大規模な第III相試験からのエビデンスはなかった。

第III相OUTBACK試験は、化学放射線療法後の化学療法が、局所進行子宮頸がん患者の標準化学放射線療法単独と比べて生存率を改善しないことを示した。

この国際試験には、局所進行性子宮頸がん患者919名が登録された。

患者は、カルボプラチンとパクリタキセルによる追加の化学療法を伴う群、または伴わない標準的なシスプラチンベースの化学放射線療法を受ける群に無作為に割り付けられた。

主要評価項目は5年後のOSだった。

研究者らは、無増悪生存期間、有害な副作用、疾患再発のパターンについても調べた。

5 年の時点で、OS は両群で同等であり、補助化学療法群と標準治療群でそれぞれ 72% 対 71% だった。

また、5年経過した時点で、追加治療群の63%で疾患が進行していなかった(無増悪生存期間、PFS)。一方、追加治療を受けなかった群は61%だった。

疾患再発のパターンは、2つの治療群で類似していた。
重篤な有害事象 (grade 3-5) は、無作為化後1年までにより多くの患者が経験した。標準治療群62%に対して、補助化学療法群81%だった。

「この研究は、化学放射線療法単独が、局所進行性子宮頸がんの女性にとって現時点での可能な最善の治療であることを示唆している。
補助化学療法には利点がないだけでなく、重篤な副作用も増加している」と、オーストラリアのメルボルンにあるPeter McCallum Cancer Centreの腫瘍内科医で、筆頭著者である Linda R. Mileshkin氏は述べている。

「この試験は、化学放射線療法後の化学療法の追加によって生存期間が延長しないという明確なエビデンスを提供する。結果はすぐに実践を変えるものであり、このアプローチは局所進行子宮頸がんの治療に使用すべきではないことを示している。これで、追加の化学療法に伴う副作用や毒性から患者を救うことができる」と、ASCOの会長である Lori J. Pierce氏は述べている。

研究者らは、追加の化学療法を伴う、または伴わない標準的な化学放射線療法が、進行性子宮頸がん患者の精神・性的健康に与える影響など、副次的目的のいくつかに答えるために、追加の分析を完了することを計画している。

https://ecancer.org/en/news/20407-asco-2021-additional-chemotherapy-does-not-offer-survival-benefit-for-patients-with-locally-advanced-cervical-cancer

(2021年6月4日公開)

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