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e-cancer:がん全般 新しい阻害剤は薬剤耐性がん細胞に対抗できることが明らかに

06 Apr 2021

新たに作られた薬剤は、抗がん剤に反応しないがんの治療を改善する可能性がある。

Martin Luther University Halle-Wittenberg (MLU)とUniversity of Greifswaldの研究者らは、薬剤耐性腫瘍細胞を化学療法に対して再び反応させる新しい阻害剤を開発した。

この新しい化学物質は、通常は抗がん剤を細胞外に排出するがん細胞内のタンパク質をブロックする。

本研究結果はMolecules誌に掲載された。

放射線療法に加え、化学療法ともいわれる細胞障害性物質はがん治療に頻繁に使用されている。
それらの化学物質は細胞の分裂を妨げ、これによってがん細胞が無制限に増殖するのを防ぐ。

「細胞障害性物質は広く効果を発揮し、言い換えれば、さまざまな種類のがんに作用するため依然として非常に重要な治療法である」と、MLUの薬学部教授であるAndreas Hilgeroth博士は説明している。

ただし、一部の腫瘍は化学療法に耐性がある。こういった腫瘍は、がん細胞から薬剤を排出するタンパク質を有している。
Hilgeroth氏の研究グループは、これらの輸送タンパク質の1つである多剤耐性タンパク質4(MRP4)を阻害する新しいクラスの化学物質を開発した。「このタンパク質は白血病において特別な役割を果たしている」と、University of Greifswald のInstitute of Pharmacyに所属するChristoph Ritter教授は述べている。

このタンパク質は、白血病の発症に寄与すると思われる化学伝達物質を輸送する。
Ritter氏は、特別な薬剤耐性がん細胞株の有効性研究でチームをサポートした。研究者らは、新しい阻害剤で処理された細胞では色素標識メッセンジャーの輸送が少なくなり、細胞障害性物質が再び奏効し始めたことを示すことができた。「化学物質の1つは特に有望な結果を示した」とRitter氏は述べ、これまでに最も効果があるといわれる阻害剤よりもはるかに多くのタンパク質を阻害した。

新しい化学物質は、「がんを促進するメッセンジャーの輸送を防ぎ、化学療法が再び機能し始めるよう助ける」という同時に2つのプラスの効果をもたらす可能性がある」とHilgeroth氏は述べた。
ただし、さらなる試験でこの阻害薬の効果が証明されたとしても、この阻害薬はMRP4輸送タンパク質を含む腫瘍を有する患者にのみ投与が可能である。

一方、腫瘍マーカーを用いた特定のがんの種類と特徴を特定する事前スクリーニングは、すでに標準治療に組み込まれている。

「特にがん治療において、個別化治療への注目が高まっている」とHilgeroth氏は述べた。
個別化治療では、がんの種類や特徴に合わせてひとりひとりに調整された薬が使用される。今後は、異なる阻害剤が異なる輸送タンパク質に使用されるようになる。

有効性は、今後の前臨床試験で確認する必要がある。
研究者らは、副作用を減らすために、新たな薬がMRP4だけをどれだけ特異的に阻害できるかを証明しようとしている。
これが成功した場合は、次の段階として有効性確認のために患者を対象とした数年間の臨床試験が行われる予定である。

https://ecancer.org/en/news/19806-new-inhibitor-found-to-combat-drug-resistant-cancer-cells

(2021年3月9日公開)

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