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e-cancer:がん全般 COVID-19を発症したがん患者の大多数はがんではない人と同様の免疫反応を示す

29 Mar 2021

Montefiore Health SystemおよびAlbert Einstein College of Medicineの研究者らによる新しい研究によると、新型コロナウィルスに感染したがん患者の大多数が他の患者と同等の割合で抗体を産生しているが、その能力はがんの種類や受けてきた治療法によって異なることが分かった。

Nature Cancer誌にオンラインで掲載されたこの研究結果は、COVID-19によって死亡リスクが高まるがん患者のケア改善に繋がる可能性があり、がん患者がCOVID-19ワクチンによく反応するはずであることを示唆している。

Montefioreの血液腫瘍学者で論文の筆頭著者であるAstha Thakkar, M.B.B.S.は、「COVID-19を発症したがん患者の多くは免疫力がないため、がんではない人と同程度の抗体防御効果が得られないのではないかという懸念からこの研究を実施した。

我々の研究結果は、がん患者のほとんどがコロナウィルスに対して、一般人と同様の抗体反応を起こすことを保証するものだ。がんの既往歴のある人は既往歴のない人と同様に再感染から守られている可能性が高く、今回の研究ではワクチンにもよく反応すると考えられる」と述べている。

この後ろ向き研究では261人のがん患者が対象となり、そのうち77%が固形がん、23%が血液がんと診断された。

抗体陽転(感染に対する抗体の産生)割合は、全体で92%だった。

ただし、固形がん患者と血液がん患者を比較すると、血液がん患者の抗体陽転率は81.7%にとどまり、固形がんの患者の抗体陽転率94.5%よりも大幅に低かった。

「血液がん患者によく行われる治療法である抗CD20抗体療法、幹細胞移植、ステロイドは、免疫システムを抑制することが知られている。そのため、これらの患者には抗体発現率が低く、COVID-19の重症化リスクが高いのかもしれない」と、MontefioreのMultidisciplinary Thoracic Oncology Programのdirector、Albert Einstein College of Medicine教授、Albert Einstein Cancer Center (AECC) のメンバーである筆頭著者のBalazs Halmos, M.D., M.S.は述べている。

Montefioreの腫瘍内科医、Albert Einstein College of Medicine教授、AECCメンバー、本論文の共著者であるSanjay Goel, M.B.B.S.は、「血液がん患者には特に注意を払い、この患者に適切なケアを提供するための積極的な戦略を考える必要がある」と述べている。

「この研究はまた、COVID-19ワクチンと血液がん患者に対する現在の治療法に関する追加研究の必要性を提起している」

Halmos博士らは、昨年のCancer Discovery誌に掲載された論文で、COVID-19を発症した血液がん患者が固形がん患者と比較し、死亡率が有意に高いことを明らかにした。

死亡率は、積極的ながん治療よりも年齢や併存疾患に密接に関連していた。

研究参加者は、2020年3月1日~2020年9月15日の期間にMontefioreでケアを受け、コロナウィルスを検出するPCR検査によるCOVID-19の陽性反応、あるいは抗体検査によるCOVID-19への曝露歴、またはその両方が認められた。

患者の平均年齢は64歳で、男女がほぼ半々だった。

患者の56% (261人中147人) が症状のあるコロナウィルス感染症を発病し、44% (261人中114人) が無症状の感染症を発病した。

患者の40%以上がアフリカ系アメリカ人で、30%がヒスパニック系、15%近くがコーカサス人、3%がアジア系、6%がその他の民族に属していた。

https://ecancer.org/en/news/19902-majority-of-cancer-patients-with-covid-19-have-similar-immune-response-to-people-without-cancer
(2021年3月23日公開)

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