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05 Mar 2021
Radiology誌に掲載された50万人以上の女性を対象とした大規模な研究によると、定期的にマンモグラフィ検診を受けることで、乳がんの死亡リスクが大幅に減少する。
研究者らは、乳がんの診断前に予定されているマンモグラフィ検診を1回でも受けなかった女性は、がんで死亡するリスクが大幅に高くなると述べている。
マンモグラフィによる乳がん検診は、より早期でより治療可能な段階でのがんの検出を可能にすることにより、疾患に関連する死亡を減らすのに役立ってきた。
マンモグラフィの有効性は十分に確立されているが、多くの女性は推奨されるスクリーニング検査を受けていない。
スウェーデンのFalunにあるFalun Central HospitalのLászlóTabár氏が主導し、American Cancer Societyが資金提供した新しい研究では、研究者の多国籍チームが、死亡リスクの推定値をさらに精緻化するために、スクリーニング受診パターンをより詳細に調べた。
彼らは、1992~2016年の間にスウェーデンの9つの郡でマンモグラフィ検診の対象となる約55万人の女性のデータを分析した。
女性は、がんの診断前に、直近に予定されていた2つのスクリーニング検査への参加に基づいてグループに分けられた。
診断前に両方のスクリーニングセッションに参加した女性は連続参加者として識別され、どちらのスクリーニング機会にも参加しなかった女性は連続非参加者として分類された。
分析によると、乳がんの診断前に直近に行われた2つのマンモグラフィ検診の予約への参加は、どちらの検査にも参加しない、または1つの検査のみに参加する場合よりも、乳がんによる死亡に対してより強い減少効果がある。
診断から10年以内に致命的であることが証明された乳がんの発生率は、連続非参加者よりも連続参加者の方が50%低かった。 以前の2つのスクリーニングのうち1つだけに参加した女性と比較して、両方に参加した女性では、乳がんによる死亡率が29%減少した。
「予定されているすべてのスクリーニングに定期的に参加することで、乳がんの死亡リスクを最大限に減らすことができる」と、この研究の筆頭著者であるロンドン、Queen Mary Universityのがんスクリーニング教授であるStephen W. Duffy氏は述べている。
Duffy氏は、この結果は、乳がん関連の死亡を減らす手段として、マンモグラフィによる定期的なスクリーニングをサポートするためのさらなる証拠の追加となると述べた。
「定期的な受診は不定期な受診よりも大幅な減少になると考えたが、その効果の大きさに少し驚いたと言っても過言ではない」とDuffy氏は語った。 「調査結果は、定期的な受診により、がんが検出される前にがんが成長する機会を抑制するという仮説を支持する。
研究者らは、マンモグラフィ検査の間に発生する中間期がんへの影響を含む、スクリーニングの利点のより包括的な全体像を示すために、マンモグラフィデータの研究を続けている。
「この効果のメカニズムについて、さらに予後の研究を計画している」とDuffy氏は述べた。「たとえば、定期的な受診により、中間期がんとスクリーニングで検出されたがんの予後が改善するかどうか、また改善する場合はどの程度改善するかを調査する予定である。最後のスクリーニングからの時間によるこの推定は、スクリーニング頻度に影響を与える可能性がある」
https://ecancer.org/en/news/19733-skipping-mammogram-increases-risk-of-death-from-breast-cancer
(2021年3月2日公開)