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16 Feb 2021
ECPCからの声明
世界対がんデー(World Cancer Day)の前日、欧州委員会は、がんによる死亡の負担増大に対するEUの対策として、待望のEurope’s Beating Cancer Planを開始した。
ECPCは、新型コロナウイルス感染症による類を見ない世界的な流行にもかかわらず、がんとの闘いが欧州委員会の最優先事項であり続けることを歓迎している。
ECPCは特に、がん予防と早期発見から治療および生存に至るまで、疾病の全プロセスへの取り組みを目的とした計画の包括性を称賛している。
さらに、この計画が、がん患者の生活の質に影響を及ぼし、多くの場合致命的でありながら、医療政策や研究において無視されがちな衰弱性のがんの合併症および併存疾患に対処することを歓迎している。
ECPCは、この計画は「患者、その家族、そしてより多くの人々の利益と幸福をあらゆる段階において中心に据えている」と満足を以って述べている。
ヘルスリテラシーの向上、喫煙の削減、医療の利用に対する平等、革新とともに、患者中心主義は、ヨーロッパ全体のがんの負担に効果的に取り組むための有望な措置である。
がんがヨーロッパの主要な死因になるという劇的な傾向を逆転させるのに役立つ措置である。
National Comprehensive Cancer CentresとEuropean Reference Networks (ERNs)は、十分に機能する計画のバックボーンであり、EU全体において容認できない不平等と闘うための不可欠なツールであると信じている。
我々は、不平等への取り組みに確実に貢献し、最終的にすべてのがん患者に利益をもたらすこれらの施設の計画的な国境を越えた協力を歓迎する。
がんサバイバーシップ(Cancer Survivorship)に関して、ECPCはEUの連帯、平等、社会的共生、市民の福祉といった価値観を促進するという意欲が足りないことを強調している。
いくつかの優先事項は、欧州のBeating Cancer Plan Roadmapで特定されており、取り組む必要がある。
さらに、がんサバイバーの金融サービスへのアクセスを容易にするために、ECPCは可能な最善の解決策は、すべてのEU加盟国におけるがんサバイバーの‟忘れられる権利”の承認であると強く信じている。
金融サービスへのアクセスを容易にする適切な解決策が検討されているが、EU委員会は、消費者の権利およびEU条約と一貫性のある法的枠組みを推進していない。
昨年、ECPCはEuropean Cancer Organisation(E.C.O)およびEuropean Federation of Pharmaceutical Industries(EFPIA)と協力して、この計画の実施をサポートするためのEuropean Cancer Dashboardを提案した。
提示された原則は、計画を向上させ、成功を監視する可能性がある。
「欧州が、がんに関わる負担の増大を終わらせるために抜本的な措置を講じる計画を立てていることに感激するとともに、計画の効果的な実施を確実にすることも同様に重要である。我々は今、欧州におけるがん疾患の増加傾向を逆転させるために行動しなければならず、欧州のECPCは計画の実行を支援する準備ができている」とECPCの代表であるKen Mastris氏は述べている。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、欧州全体の医療システムを非常に混乱させた。がん治療とがんの検出もその例外ではなかった。
残念なことに、2020年はがんの診断が約40%減少し、近い将来、がんの転帰に悪影響を及ぼすだろう。
さらに、コロナウイルスはがん患者を直接危険にさらしているため、より重症の疾病のリスクが高くなる。
パンデミックがヘッドラインを席巻しているが、ECのUrsula von der Leyen委員長とStella Kyriakides委員はちょうど1年前に我々に宣言した言葉を守り、がんを打ち負かすために本気で取り組む準備ができていることに感謝している。
(2021年2月3日公開)