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10 Feb 2021
WCLC 2020(国際肺がん学会、シンガポール)で発表された研究によると、非小細胞肺がん(NSCLC)の患者にHost immune classifier(HIC)検査を使用すると、より良い治療反応の予測因子が得られ、転帰が改善する可能性がある。
ユタ州ソルトレイクシティーのHuntsman Cancer InstituteのWallace Akerley博士によると、免疫チェックポイント阻害剤は、進行期のaNSCLC患者のがん治療に革命をもたらしたが、NSCLCと診断された患者の治療決定を導くには、より良い治療反応の予測因子が依然として必要である。
HIC(Host Immune Classifier)は、炎症の血清プロテオミクス測定である。
ホットは、腫瘍が炎症を起こしていることを意味する。
33か所の研究者らが、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)療法の結果を予測する臨床的要因と臨床的に検証された血液ベースのHICの能力を評価する前向き観察研究にNSCLC患者3,500名を登録した。
実際の臨床での結果では、新たにaNSCLCと診断された被験者の全生存期間(OS)は、ICIとICI化学療法の間で有意差はなかった(OS中央値(mOS):9.4か月対12.5か月、ハザード比、0.80 [95%CI :0.54-1.19]、p = 0.28)。
結果は、ICIを受けた被験者はHIC(タイトルで定義されたHIC、より良いパフォーマンスステータス(PS)およびより若い年齢であるが、高いPD-L1発現(50%または90%カットオフ)がより長いOSと有意に関連していないことを示した。
多変量解析で共変量を調整した場合、HICと年齢はOSの有意な予測因子であり続けたが(p = 0.0006およびp = 0.005)、PSはそうではなかった(p = 0.40)。
「HIC検査は、現在使用されている臨床的要因に加えて、臨床的に意味のある情報を提供し、新たにNSCLCと診断された患者の免疫療法の決定を導くのに役立つ可能性がある」とBlock博士は述べた。
(2021年2月1日公開)