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e-cancer:がん全般 がん治療はCOVID-19に応用できる可能性がある

12 Nov 2020

がん治療はCOVID-19に応用できる可能性がある。
イタリアとオーストラリアの研究者らによる新しい国際的研究によると、β遮断薬はCOVID-19の治療に使用できる可能性がある。

南オーストラリア大学のがん研究者であるDr. Nirmal Robinsonは、ナポリのチームと協力して、β遮断薬のプロプラノロールがCOVID-19と非常によく似た炎症プロファイルを持つ肺がんの拡大を抑制するのに役立つというエビデンスを動物モデルで発見した。

研究者らは本研究をFrontiers in Immunology誌で発表し、彼らの研究を支援するための臨床試験の必要性を訴えている。

がん生物学センターのCellular-Stress and Immune Response Laboratoryの責任者であるRobinson氏によれば、プロプラノロールは心臓病、不安障害および偏頭痛の治療に一般的に使用されていると述べている。さらに、最近の臨床試験では、がんを含む他の病気に対するプロプラノロールの有効性が示されている。

「COVID-19患者は、SARS-CoV-2ウイルスが体の免疫系を乱すため、炎症など多くの異常に苦しんでいる。β2遮断薬はこうした炎症を軽減し、免疫系のバランスを取り戻すのに役立つ可能性がある」とRobinson氏は言う。

プロプラノロールなどのβ遮断薬は、体の自然な「闘争・逃走」反応を一時的に停止または減少させることによって作用する薬である。それと引き換えに、心臓や脳の血管など、体の特定の部分へのストレスを軽減する。また、関節リウマチなどの自己免疫性疾患の治療選択肢として提案されている。

「SARS-Cov-2はタンパク質ACE2を介してヒト細胞に入り、下気道に感染し、深刻な炎症と多臓器不全を引き起こす。高血圧、糖尿病、心臓病などの併存疾患のある患者は、はるかに高いリスクにさらされている」と彼は述べた。

トシリズマブ(関節炎に処方される免疫抑制薬)やルキソリチニブ(まれな骨髄性血液がんである骨髄線維症治療薬)などの他の炎症抑制剤は、重症度の高いCOVID-19症例の治療にすでに使用されていると研究者らは述べている。

「β-2-アドレナリン作動経路は、COVID-19関連の炎症症状を軽減する可能性のある標的としてより精査する必要があると我々は考えている。次のステップは、がん治療で得られた教訓に基づいて、COVID-19を治療するための代替療法を探求するため、臨床試験を実施することである」とRobinson氏は述べた。

https://ecancer.org/en/news/19020-cancer-treatment-could-be-replicated-for-covid-19
(2020年11月4日公開)

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