トップ > ニュース

ニュース

e-cancer:血液がん 血液がんの新たな治療法は、がん細胞シグナル伝達を選択的に阻害することで作用する

29 Oct 2020

Nature Communications誌で本日発表された研究によると、アルバータ大学の研究者らは、臨床試験が予定されている新しいタイプの精密血液がん治療薬の作用機序を特定した。

医歯学部の細胞生物学教授であるLuc Berthiaume氏が率いる研究チームは、4年かけて化合物PCLX-001がミリストイル化を行う酵素をどのように標的にするかを理解するために取り組んだ。ミリストイル化は、脂肪酸のミリスチン酸がタンパク質を修飾し、それによってタンパク質が膜に移動し細胞シグナル伝達系の一部となることが可能になる細胞プロセスである。

「ミリスチン酸をタンパク質上に転移させる酵素は、一部のがん細胞で過剰発現するためこれらの酵素が多くみられるわけで、したがってがん治療の論理的な標的だと以前から考えられている」と、本薬剤を開発しているアルバータ大学のスピンオフ会社、Pacylex Pharmaceuticals社の最高科学責任者兼共同創立者でもあるBerthiaume教授は述べた。

「これまで、この仮説を徹底的に分析した人はいなかった」と教授は述べた。

「実際、いくつかのタイプのがん細胞はこれらの酵素が少なく、私たちのリード薬で容易に殺傷できそうであることが分かった」

これを実証するために、研究者らは300の異なるタイプのがん細胞で本薬を試験した。リンパ腫や白血病などの血液のがん細胞はこれらの酵素が少なく、本薬に対して非常に反応しやすいと報告した。

高濃度で投与すると、他のタイプのがん細胞も殺傷した。

チームは、試験管と動物実験の両方において本薬剤がB細胞リンパ腫の腫瘍生存シグナルを止め、B細胞腫瘍細胞を殺傷し、非がん細胞は無傷のままであることを発見したと、Berthiaume教授は述べた。

Pacylex社は必要なバイオセーフティ試験を完了し、今年後半にはエドモントンのクロスがん研究所、バンクーバーのB.C.がんセンター、トロントのプリンス・マーガレットがんセンターで、リンパ腫、白血病、乳がんおよび結腸がん患者を対象にPCLX-001の第Ⅰ相試験を開始する予定だと、Berthiaume博士は述べた。

「私たちは、PCLX-001は治療域が広い化合物で、正常細胞を殺傷するのに必要な濃度よりもかなり低い濃度でがん細胞を殺傷することができると考えている」と語った。

「がん療法の聖杯である」「私たちの薬剤は非常に選択性が高いため、しばしば精密医薬品と呼ばれており、副作用は最小限だと予測している」と述べた。

https://ecancer.org/en/news/18881-new-blood-cancer-treatment-works-by-selectively-interfering-with-cancer-cell-signalling

2020年10月22日公開

Croi 2021 Conference News 速報
Practice Updates: HIV Management_HIVの治療戦略
Glasgow 2020 Virtual Conference News 速報
Literature-based Program
Gut Japanese abstract collection
ecancer
国際学会カレンダー