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12 Aug 2020
新たな研究によると、ニューヨーク市で卵巣がん、子宮がん、子宮頸がんの標準治療を受けている女性は、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）により入院し、死亡するリスクは高くないことが明らかになった。
研究者らは、がんがあること、がんが持ち得る毒性のためにがん治療を受けていることのどちらもCOVID-19の転帰を悪化させないことを見出した。
NYU LangoneのPerlmutterがんセンターおよびNYU Grossman School of Medicineの研究者らが率いるこの研究では、このような悪性腫瘍の標準治療を受けており、コロナウイルスに感染している121人の女性（51～63歳）の入院率と死亡率は、 COVID-19感染のみの患者と同等であることを示した。
Cancer誌に掲載された本研究では、女性の54％（121人中66人）が入院を必要とし、そのうち25％（66人中17人）が死亡し、全体の死亡率は14％であった。
これは、市内のCOVID-19入院患者5,700人(うち、男性が60％)で死亡率21％に達し、より大きなリスクを示した研究結果に匹敵する。
末期婦人科がん、がん手術、または高用量化学療法を行っても、COVID-19による女性の死亡リスクは増加しなかった。
重要なことには、本研究ではCOVID-19の婦人科がん患者の75％はCOVID-19が軽症であり、感染から回復したことも分かった。
「私たちの研究は、がんがあるためにCOVID-19が原因で病院に行くと重症になるリスクが高まると懸念している婦人科がんの女性を安心させるはずである」とPerlmutterの産婦人科主任研究者であるOlivia Lara MDは述べている。
このような患者は、理論上、コロナウイルス感染によって悪化する可能性のある炎症の増加や免疫システムの不均衡とすでに闘っている。
「婦人科がんの女性がCOVID-19で死亡するリスクは、がんではない女性と同じである」と、Perlmutterの産婦人科教授であり主任研究員のBhavana Pothuri MDは述べている。
COVID-19で死亡する女性の全体的なリスクを2倍にする共通の危険因子は、アフリカ系アメリカ人であるか、高血圧、肥満、糖尿病などの基礎疾患を2つ以上有していることであると彼女は述べている。
研究の一環として、研究者らは2020年3月1日～4月22日まで地域の病院でCOVID-19と婦人科がんの両方の治療を受けた女性の医療記録を調査した。
これには、NYU LangoneのPerlmutter Cancer Center、NYC Health Hospitals Bellevue Hospital、Memorial Sloan-Kettering Cancer Center、Columbia University Medical Center、SUNY Downstate Medical Center、Montefiore Medical Systemでの記録が含まれていた。
別の調査結果によると、免疫系を利用してがん細胞を攻撃する薬剤療法である免疫療法を受けている患者の少数（121人中8人）は、標準的な放射線療法、手術、化学療法、またはこれらの併用療法を受けている患者よりも死亡率が3倍高かった。
しかし、Pothuri氏は、免疫療法を受けている女性の数は、臨床治療についての確固たる勧告につながるほど多くはなかったと警告している。
Pothuri氏は、研究チームは患者記録を分析して、COVID-19の根本的なリスク要因ががんの女性に及ぼす影響を軽減する可能性のある要因について、地元のコミュニティグループとのコミュニケーション方法など、さらなる洞察を得るために計画を立てていると述べている。
現段階では、Pothuri氏はCOVID-19のリスクについてのさらなる恐れから、新たながんのスクリーニング、診断、治療を断念してはならないと述べている。
「がん治療の基本的なルールは、パンデミック中でも変わらない」と彼女は述べている。 「早期発見・スクリーニング・治療によって、アメリカ人女性の主な死因であり続けているがんから、より多くの人を救うことができるだろう」
（2020年7月31日公開）
