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e-cancer:Covid-19パンデミック中にがん手術の延期により数千人の命が失われる可能性がある

28 May 2020

ある主要な新しい研究報告によると、Covid-19のパンデミックによって英国でがん手術や他のがん治療が延期されており、そのために数千人がさらに死亡する可能性があるという。

この新しいモデリングにより、がんの治療と診断過程の混乱ががん患者の生存期間に与える影響の程度が明らかになった。

パンデミックの状況で多くのがん患者は、腫瘍除去手術を含めてがん治療が数ヵ月延期されている。

治療を延期している間にがんが進行し、延期しなければ手術で効果的に治癒した可能性があった患者が、がんの再発によって寿命が短くなるリスクにさらされる可能性がある。

ロンドンのInstitute of Cancer Researchの研究者らは、患者の5年生存率に対するがん手術の延期に関する既存の英国保健データを分析して、3ヵ月または6ヵ月手術を延期した場合の影響をそれぞれ推定した。

Covid-19に院内感染した場合のリスクを考慮に入れたモデリングの結果、患者の年齢、がん種、早期がんか末期がんかによって、がん生存に対する治療延期の影響は劇的に異なっていた。

研究チームは、1年間にがん切除手術を受けた94,912人の患者全員を対象に検討した結果、3ヵ月延期した場合には4,755人の死亡につながることを発見した。

患者が手術後に生存すると予想される時間の長さを考慮に入れると、延期は92,214年分の生命年の損失に相当する。

がん手術は患者1人あたり平均18.1年の生存可能年数をもたらし、3ヵ月の手術延期でそのうちの平均1.0年が失われ、6ヵ月の延期で2.2年の寿命が失われると推定された。

医療資源をより広く検討するため、彼らはこれをCovid-19に対する病院での治療と比較し、患者1人あたり平均5.1生命年が得られることがわかった。

この新しい研究は、Annals of Oncology誌で発表され、Cancer Research UKの支援を得て、Institute of Cancer Research(ICR)から資金提供を受けた。

Institute of Cancer Researchのがんゲノミクス教授で、Royal Marsden NHS Foundation Trustのコンサルタント臨床医であり、本研究を率いたClare Turnbull教授は次のように述べた。

「Covid-19危機によって、NHSは診断から手術、他の形態の治療に至るまで、がん治療のあらゆる段階で大きな困難に直面している。我々の研究は、がん治療の延期が患者に及ぼす影響を示している。パンデミックの結果、イングランドおよび英国では、がんによる死亡者数が数千に及ぶ可能性がある」

「本研究結果は、他の医療分野へのパンデミックの影響も推定しているため、政策立案者や臨床医が根拠に基づいた決定を行うのに役立つはずだ。我々は、Covid-19患者とがん患者の両方が可能な限り最善の治療を受けられるようにする必要がある。特にがん種の一部を優先して治療するなど、NHSががん診断と手術をできるだけ早く通常に戻す方法を見つけることを意味している」

ロンドンのInstitute of Cancer Researchの責任者であるPaul Workman教授は次のように述べた。

「Covid-19のパンデミックはすでに多くの人々の生活に直接的な打撃を与えている。今、これらの新しい発見は、パンデミックががん患者の生活に重大で間接的な影響を与える可能性を示している」

「NHSは今や、“ニューノーマル”とよばれる新しい方式に則って、手術などのがん治療をできる限り早く再開しようとしている。また、病院での滞在時間を最小限に抑えながら生存率を維持する方法として、抗がん剤による標的治療または短期間で集中した放射線療法によるがん治療を試みる動きは大いに歓迎できる」

https://ecancer.org/en/news/17807-thousands-of-lives-could-be-lost-to-delays-in-cancer-surgery-during-covid-19-pandemic

 (2020年5月20日公開)

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