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09 Dec 2019
膵臓がんは、現在のすべての治療に耐性がある。
患者は、診断後5年間生存する可能性が極めて低い。
Tel Aviv Universityの新しい研究では、小分子が膵臓がん細胞の自己破壊を誘発する能力があることがわかった。
この研究は、異種移植片、つまりヒト膵臓がんの免疫不全マウスへの移植で実施された。
この治療により、投与後1か月で発生した腫瘍内のがん細胞数が90%減少した。
本研究は、人間にとって、この攻撃的ながんを治療するための新しい効果的な治療法の開発に大きな可能性を秘めている。
本研究は、Sheba Medical Center、Cancer Research CenterのTalia Golan氏の研究チーム と協力して、Malca Cohen-Armon教授とTAU’s Sackler Faculty of Medicineのチームが主導した。
本研究は10月22日にOncotarget誌に掲載された。
「2017年に発表された研究で、正常な細胞に影響を与えることなく、複製(有糸分裂)中にヒトがん細胞の自己破壊を引き起こすメカニズムを発見した」とCohen-Armon教授は説明する。
「現在、異種移植片のヒト膵臓がん細胞を効率的に根絶するために、この情報を利用している。現在の結果は、さまざまなヒトがん細胞においてこの自己破壊メカニズムを引き起こす小分子を使用して得られた」
「マウスはPJ34と呼ばれる分子で治療した。PJ34は、細胞膜は透過するが、ヒトがん細胞にのみ影響を与える。この分子は、ヒトがん細胞の複製中に異常を引き起こし、急速な細胞死を引き起こす。したがって、細胞増殖自体が、治療したがん細胞の細胞死をもたらした」
PJ34を毎日14日間注射した1か月後、治療したマウスの腫瘍の膵臓がん細胞は相対的に90%低下した。
1匹のマウスでは、腫瘍は完全に消失した。
「副作用は観察されず、マウスの体重増加も行動も変化しなかったことに注意することが重要である」とCohen-Armon教授は述べている。
このメカニズムは、現在の治療法に耐性のある他の種類のがんで効率的に機能する。
分子PJ34は、臨床試験が開始される前に、FDA規制に従って前臨床試験中である。
https://ecancer.org/en/news/17014-new-treatment-triggers-self-destruction-of-pancreatic-cancer-cells
(2019年12月3日公開)