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30 Sep 2019
国際肺癌学会が主催するIASLC 2019 World Conference on Lung Cancerで発表された研究によると、化学療法にデュルバルマブの免疫療法を追加すると、広範囲の小細胞肺癌患者の全生存率が向上する。
本研究は、スペインのマドリッドにあるComplutense大学およびCiberonc大学のH120-CNIO肺癌ユニットのHospital Universitario 12 de OctubreのLuis Paz-Ares博士によって発表された。
広範囲の小細胞肺癌は、癌が肝臓や脳など身体の他の部位に転移した段階と定義されている。診断後の平均生存期間は10ヵ月である。
CASPIAN試験では、Paz-Ares氏と多施設の国際研究チームが、未治療の広範囲肺癌患者537人をデュルバルマブ+エトポシドプラチナ(EP)化学療法4コース、デュルバルマブ+トレメリムマブ+ EPのいずれかを投与した 4サイクル、または最大6サイクルのEPのみに無作為化した。
WLCCで提示されたデータは、対照療法と比較した場合のデュルバルマブ群に関するものである。
Paz-Ares氏とチームは、本試験の免疫療法群の患者の全生存期間の中央値が、エトポシドプラチナコントロール群の10.3ヵ月と比較して13ヵ月であったことを見出した。
また、デュルバルマブを投与された患者の33.9%は、対照群のわずか24.7%と比較して、18ヵ月間生存した。
「広範なステージの非小細胞肺がんの第一選択治療としてのデュルバルマブの追加は、最大6サイクルのエトポシドを可能にする安定したコントロール群と比較して、全生存率を大幅に改善した(死亡リスク27%減少)。 この化学免疫療法レジメンはプラチナの選択(カルボプラチンまたはシスプラチン)に適応性を提供し、この困難な疾患に対する現在の臨床を反映していることに注目して頂きたい」と述べた。
(2019年9月10日公開)