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06 Jun 2019
Roswell Park Comprehensive Cancer Centerの早期臨床試験プログラム担当ディレクターでメラノーマのチーフであるIgor Puzanov氏は、免疫療法T-VEC(talimogene laherparepvec)に関する研究を主導した。本試験結果はシカゴで開催中のASCOで発表される。
Puzanov氏は、きわめて重要なOPTiM無作為化第III相試験(NCT識別番号00769704)において、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)によるサイトカインベースの免疫療法とT-VECの無増悪生存期間(PFS)のアドホック分析の比較を最初に報告したこの研究の主任著者である。
T-VECは、皮膚やリンパ節のメラノーマ細胞を殺すように設計された注射免疫療法である。
腫瘍溶解性ウイルスは、正常な非悪性細胞に影響を与えることなくがん細胞を標的とする。
結果は、単剤T-VECが、包括解析集団全体において、GM-CSFと比較して無増悪生存期間の改善を示した。12か月生存率はT-VECでは14.4%、GM-CSFでは4.6%と推定された。
この所見は、おもに進行性のステージ4のメラノーマ患者によってひき起こされ、その中で、12か月の無増悪生存期間はT-VECでは19.9%、GM-CSFではわずか3.2%と予測された。
「われわれの調査結果は以前のデータと一致しており、局所/局部メラノーマ、または他の臓器に広がっていない疾患の患者にはT-VECによってより顕著な全生存利益があることを示している」とPuzanov氏は述べ、「重要なことに、われわれは進行した患者とその疾患が進行しなかった患者との間で、無増悪生存期間中央値に差がないことを確認した」
サブグループ解析は、T-VECによる治療期間6か月以内に進行しなかった患者は、GM-CSFで治療した患者と比較して、将来的な進行の可能性が50%減少したことを示す。
(2019年6月1日公開)