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e-cancer:リンパ腫 リンパ腫患者は診断後の感染リスクが高い

18 Jul 2024

毎年、およそ100名がマントル細胞リンパ腫に罹患している。

Uppsala Universityの研究によると、これらの患者は他の疾病に罹患しやすく、このような患者の感染リスクは慎重に評価する必要があることが示されている。

この研究結果はHemasphere誌に掲載されている。

「患者は長年にわたり感染リスクが高い状態で生活することになり、それがQOLを制限するだけでなく、非常に深刻な事態を招くこともある」と、Uppsala Universityでがんの精密医療を研究しているAntoine Kossi D. Abalo氏は指摘する。

マントル細胞リンパ腫(MCL)は非常にまれで不治の病とされるリンパ系のがんであり、主に70歳以上の男性が罹患する。スウェーデンでは毎年約100例が報告されている。

治療後、疾患が再発するまで何年も生存することができ、罹患者の約半数は5年以上生存する。
最近の治療の進歩により患者の生存率は大幅に改善されているが、研究者は、罹患者の間で懸念が高まっていると指摘する。

「これは集中的な化学療法を受け、免疫力が低下しているため、他の疾患、特に感染症に感染しやすくなるためだ」と、Uppsala University HospitalおよびUppsala Universityの腫瘍学教授であり上級医師であるIngrid Glimelius氏は説明する。

そこでUppsala Universityの研究者らは、MCLと診断される前後の感染率を調べる大規模な全国調査を実施した。

2007~2019年までの1,559名のMCL患者のデータを15,571名の対照群と比較した。

研究者らは、MCL患者が対照群の2倍の感染症を発症したことを見出した。

患者における高い感染率は診断の4年前から観察され、診断後8年間持続した。

「医師と患者の双方がこのような合併症に注意する必要がある。このことは、リンパ腫の治療と並行して、感染リスクを管理して軽減する戦略や、感染症につながる可能性のある細菌への曝露を制限する対策を講じる必要があることを示している。そうすることで、患者のQOL全体を向上させることができる」とGlimelius氏は続ける。

診断後1年間でMCL患者の69%が少なくとも1つの感染症に感染し、一般的な原因として、インフルエンザ、肺炎、細菌感染症、尿路感染症、および急性上気道感染症が挙げられた。

驚くべきことに、MCLは依然として大多数の患者の主な死因であった。
研究者らは、死因となる感染症は比較的まれで、症例のわずか2.6%に過ぎないことに驚いた。

「この結果は、MCLの新たな治療法を検討する際には、感染リスクを慎重に評価する必要があることを示している。これらの知見を掘り下げることにより、より効果的な介入への道が開かれ、最終的にはMCLと闘う人々のQOLと寿命を改善することができる」とKossi D. Abalo氏は結論付けている。

 

https://ecancer.org/en/news/24994-lymphoma-patients-at-high-risk-of-infections-after-diagnosis
(2024年7月9日公開)

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