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e-cancer:乳がん マンモグラフィ、MRI、それとも唾液検査?

08 Mar 2024

乳がんは増加の一途をたどっているが、早期発見のための新しいツールが命を救うかもしれない。

AIP PublishingのJournal of Vacuum Science & Technology B誌に、University of Floridaと台湾のNational Yang Ming Chiao Tung Universityの研究者らが、微量の唾液サンプルから乳がんバイオマーカーを検出できる携帯型乳がんスクリーニング装置の成功例を報告した。

彼らのバイオセンサーのデザインは、携帯型乳がんプラットフォームArduinoで広く成功を収めたような、一般的な部品が使用されている。

「地域や病院で乳がん検診を行う医療スタッフを想像してみてください」と、著者のHsiao-Hsuan Wan氏は述べた。

「われわれの装置は、手のひらサイズで携帯が可能、かつ再利用できるため、優れた選択肢である。検査時間は1サンプルあたり5秒以下であり、非常に効率的である」

この装置は、標的とするがんバイオマーカーと相互作用する特定の抗体で処理した紙のテストストリップを使用する。

唾液サンプルがストリップ上に置かれ、電気パルスがバイオセンサー装置の電気接点に送られる。

これらのパルスによってバイオマーカーが抗体に結合し、電極上の電荷と静電容量が変化する。

これにより出力信号に変化が生じ、これを測定し、バイオマーカーの存在量に関するデジタル情報に変換することができる。

本デザインは別の手段と比べると革命的である。

マンモグラフィ、超音波検査、MRI検査は、高額で侵襲的であり、大型の特殊な装置を必要とし、低線量放射線被曝を伴い、検査結果が出るまでに数日から数週間かかることがある。

「多くの場所、特に発展途上国では、乳がん検査用のMRIのような高度な技術は容易に利用できない可能性がある」と、Wan氏は述べた。

「われわれの技術はより費用対効果が高く、テストストリップはわずか数セント、再利用可能な回路基板は5ドルである。

これまで乳がん検診のリソースがなかったような地域に大きな影響を与えられる可能性に興奮している」

バイオセンサーに必要な唾液はわずか1滴で、サンプル中のがんバイオマーカーの濃度が1ml当たり1g の1000兆分の1、つまり1fgであっても、正確な検査結果が得られる。

「私にとって重要な局面は、健康な人とがん患者を明確に区別する測定値を捉えたときだった」と、Wan氏は述べた。

「われわれは、ストリップ、回路基板、その他のコンポーネントを完成させるために、多くの時間と労力を費やした。最終的に、われわれは世界中の人々を助ける可能性のある技術を開発した」

 

https://ecancer.org/en/news/24257-would-you-prefer-a-mammogram-mri-or-saliva-on-a-test-strip

(2024年2月20日公開)

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