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e-cancer:乳がん microRNAは乳がん患者の疾患再発の予測に役立つ

01 Dec 2022

University of Galwayの研究者らは、microRNA(miRNA)と呼ばれるバイオマーカーが、乳がん患者における病気の再発や死亡に直面する可能性の予測に役立つことを突き止めた。

同大College of Medicine, Nursing and Health SciencesのMatthew Davey博士、Michael Kerin教授、Nicola Miller博士は、アイルランドで化学療法を受けた患者124名を対象とした多施設共同試験を実施した。

この研究結果は、Journal of the American College of Surgeons誌に掲載された。

その内容は以下の通りである。
• MiRNAは、乳がんの再発や死亡を予測するバイオマーカーとして利用可能である。
• アイルランドで実施された多施設共同試験の研究者らは、乳がん患者124名の血液サンプルを、がん罹患中の5つの異なる時点で採取し、約9年後の転帰を評価した。
• 研究者らは、今回のmiR-145の予測値の発見により、乳がん治療を受ける患者一人ひとりのニーズに合わせて、医師がより適切な治療を行うことができるようになるのではないかと述べている。

アイルランドのNational Cancer Registryの数字によると、毎年3,500名以上の女性が乳がんと診断されている。

女性のがんの中で最も多く診断される乳がん患者の長期予後は改善されているが、そのうちの20~30%で乳がんが再発することがわかっている。

Davey博士は次のように述べている。「どのような患者が再発しやすいかを特定するプロセスは、これまで困難だった。そこで、遺伝子発現を調節し、がんの発生に影響を与える小さな非コード化分子であるmiRNAが、乳がんの再発や死亡の可能性が高い患者を予測可能かどうかを明らかにしようとした。

「われわれは、miR-145と呼ばれるある種のmiRNAの発現が増加している患者は、乳がんの再発が起こりにくいことを発見した」

「化学療法中の患者の血液サンプルで測定したこのバイオマーカーの発現量の増加が、実際に患者の長期的な腫瘍学的転帰を予測することを明らかにした。再発しそうな患者や、再発しない患者が予測可能である。このバイオマーカーの臨床応用に関するさらなる研究が進行中である」

「この研究は、術後や治療後の綿密なモニタリングや追加治療が有効な乳がん患者の特定にも役立つと思われる」

https://ecancer.org/en/news/22421-micrornas-can-help-predict-disease-recurrence-in-patients-with-breast-cancer

(2022年11月24日公開)

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