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e-cancer:がん全般 がんサバイバーの歩行機能は、生存に関わる重要な決定要因となる可能性がある

25 Mar 2021

がんサバイバーは歩行機能が低下するリスクが高く、これは死亡リスクの増加と関連していることが新たな研究により見出された。
この研究は、米国がん学会の学会誌であるCancer Epidemiology、Biomarkers&Prevention誌に掲載された。

がんの診断と治療は、乳がんや前立腺がんなどの一般的ながん種でみられる機能的健康状態の悪化と関連していることが示されているが、他のがんにおける関連についてはあまり知られていないと、National Cancer Instituteで研究を行ったセントルイスのワシントン大学医学部の外科助教授であるElizabeth Salerno, PhD, MPHは説明した。

「がんサバイバーがこれまで以上に長く生存していることを考えると、広範囲におけるがんの診断および治療が、潜在的に修正可能な危険因子である歩行機能にどのように影響するかを理解することは、このような患者の健康を改善するための新しい治療とリハビリテーションの戦略につながる可能性がある」とSalerno氏は説明した。

がんの診断と治療は、乳房や前立腺などの一般的ながん種の機能的健康状態の悪化と関連していることが示されているが、他のがんとの関連についてはあまり知られていないとSalerno氏は説明した。

「がんサバイバーがこれまで以上に長く生存していることを考えると、広範囲におけるがんの診断および治療が歩行機能にどのように影響するかを理解する-潜在的に修正可能な危険因子-このような患者の健康を改善するための新しい治療とリハビリテーションの戦略につながる可能性がある」とSalerno氏は説明した 。

本研究でSalerno氏らは、歩行機能の低下とさまざまな種類のがんとの関連および歩行機能と生存との関連を調べた。
Salerno氏らは、米国国立衛生研究所の全米退職者協会(AARP)の食事と健康に関する調査データを調べた。この調査には、51~70歳までの50万人を超えるAARPメンバーが含まれていた。

AARPメンバーは、1995~1996年の間に人口統計、病歴、食事を評価する質問票と、2004~2006年の間に健康状態、ライフスタイル、歩行機能などを評価するフォローアップ質問票を受け取った。

歩行機能は、自己申告による歩行ペースと運動障害によって測定された。
正確性や記入に不備があった回答者を除外後、最終データには30,403人のがんサバイバーと202,732人のがんと診断されたことがない人が含まれていた。

参加者の年齢の中央値は61.8歳、ほとんどが白人(92.4%)、男性(56.7%)、健康状態が非常に良い(56.4%)と特定された。
研究対象集団には、乳がん、呼吸器系がん、リンパ系がん、皮膚がん、泌尿生殖器がん、消化管がんなど、さまざまな種類のがんが含まれていた。

Salerno氏らは、がんサバイバーは、がんと診断されていない人と比較して、最も遅いペースで歩行することを報告する可能性が42%高いことを見出した。
人口統計、健康状態、がんの種類、および体格指数を調整後、がんサバイバーも運動障害のリスクが24%高まった。

歩行機能の低下は数種類のがんと関連しており、呼吸器がんまたは口腔がんのサバイバーで最も強い関連が見られた。
歩行速度の低下と運動障害は、人口統計とがんの特徴を調整した後のがんサバイバーの全死因死亡リスクとがん関連死亡リスクの増加とも関連していた。

最も遅い速度の歩行を報告したサバイバーは、活発な歩行速度を報告したサバイバーと比較して、全死因死亡とがん関連死亡の両方のリスクが2倍以上増加した。

がんのない人においても歩行速度の低下と運動障害は死亡リスクを増加させたが、Salerno氏らは、がんのない人よりもがんサバイバーの方が歩行機能と死亡率の関連が大きいことを見出した。

速い歩行速度を報告したがんのない人と比較した場合、最も遅い歩行速度のがんサバイバーは、死亡のリスクが10倍以上増加した。また、歩行速度が最も遅いがんのない人は、死亡のリスクが3倍以上増加した。

「我々の調査結果は、機能的健康が広範囲のがん診断によって悪影響を受ける可能性があり、生存の重要な決定要因である可能性があることを示唆している」とSalerno氏は述べた。 「これらの複雑な関係について学ぶべきことはまだ多くあるが、この結果は、特に高齢のがんサバイバーにおいて、がん罹患後の歩行機能を監視し、さらには標的化することの潜在的な重要性を強調している」

Salerno氏らによる今後の研究は、特定のがんが歩行機能とより強固な関連性を持ち、歩行機能と死亡率との間に強い関連性がある理由を理解することを目的としている。

「診断および治療前、治療中、治療後の行動、生物学的、およびがん特有の要因に関するより多くの情報は、特定のがん種におけるこれらの関連性をより特徴づけるために重要である」とSalerno氏は述べた。

https://ecancer.org/en/news/19789-ambulatory-function-among-cancer-survivors-may-be-an-important-determinant-for-survival

(2021年3月4日公開)

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